米ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は、2010年における全世界のコンピュータ・ソフトウェアの違法コピーによる被害状況をまとめ、「第8回BSA世界ソフトウェア違法コピー調査」として結果を発表した。調査は、IDCに委託し2003年から毎年実施しているもので、今回は世界116カ国を対象に行われている。

違法コピー率と損害額の推移(出典:BSA)

それによると、日本の違法コピー率は前年比1%減の20%で、2003年の調査開始以来、初めて世界1位(米国、ルクセンブルク同位)を達成した。ただし、損害額は16.24億USドル(約1,431億円)で世界ワースト10位となっている(為替レートはUS1ドル=88.09円で計算)。

高違法コピー率上位10位と低違法コピー率上位10位(出典:BSA)

全世界における違法コピー率の平均値は42%で、毎年拡大が続く損害額は587.54億USドル(約5兆1,756億円)。ソフトウェア・マーケットが急拡大している新興国では、違法コピーによる損害が拡大しており、全世界の損害額の半分以上を占める319億USドル(約2兆8,101億円)となっている。

違法コピーによる損害額上位20カ国(出典:BSA)

BSA日本担当事務局長の松尾早苗氏は、「日本は違法コピー率、損害額ともに対前年比で減少したものの、損害額では依然として世界のワースト10に入るという不名誉な結果が続いています。日本は多くの国内企業が知的財産をビジネスモデルの基盤としており、ソフトウェアという知的財産に対しても意識が高いはずですが、このような傾向が依然として続いていることは非常に残念です」と述べている。