STMicroelectronicsは5月4日、マルチメディア性能を高めた組み込み向けプロセッサとして「SPEAr1340」を発表した。

組み込み向けプロセッサ「SPEAr1340」のイメージ画像とブロック図

この製品は様々なWeb対応マルチメディアデバイス向けに、最大600MHz駆動のARM Cortex-A9コアをDualで搭載するほか、ARM Mali 200 GPUを内蔵する。これに加えてH.264やAVS、VP8に対応し、最大1080p/30fpsが可能なビデオエンコーダ/デコーダを搭載する。このエンコーダは最大で4つのカメラの同時入力に対応しており、ビデオ監視システムの構築なども容易である。

またI2SやS/PDIFなどの入力もサポートしており、例えば7.1chのサラウンドオーディオの入力と出力を同時にハンドリング可能である。またセキュリティに関しては複数の暗号化標準に対応した暗号化アクセラレータと、OTP(One Time Programmable)レジスタを搭載しており、ユニークIDの利用や外部Flash Memoryの耐タンパ性を確保している。

製造は同社の55nm HCMOS(High-speed CMOS)プロセスを利用しており、また2つのコアは最悪温度条件においても600MHz駆動が保証されている。さらにSMP動作のほか、AMPでの動作も可能である。その他の特徴としては

  • GbE×1を搭載(外部のGMII/RGMII/MII PHYが必要)
  • 内蔵PHYを使ってPCIe/SATA Gen2リンク×1を利用可能
  • USB 2.0 Host×2(PHY内蔵)
  • USB 2.0 OTG×1(PHY内蔵)
  • I2S/UARTS/SPI/I2Cポートをそれぞれ複数搭載
  • タッチスクリーンおよびオーバレイ機能付のHD表示ディスプレイコントローラ内蔵
  • 複数の規格に対応したメモリカードコントローラ内蔵
  • 6×6キーボードコントローラ搭載
  • カメラ入力×4搭載
  • 4bitのパラレルポートカメラ入力搭載
  • CEC(Consumer Electric Control)ポート×2搭載
  • セキュアブート/暗号化キー搭載機能搭載
  • 省電力機能搭載

などが挙げられている。

SPEAr1340はすでに一部の顧客に対して評価/試作のためのサンプリングが開始されている。SPEAr1340は同社のSTLinuxディストリビューションでサポートされている他、今後は他の環境でのサポートも追加される予定である。