先週、セキュリティソフトの露Kaspersky LabのCEOの息子、Ivan Kaspersky氏(20歳)が行方不明になったと報じられたが、Kaspersky Labは4月24日、声明文を発表し、Ivan Kaspersky氏が無事救出・保護されたと報告した。救出にあたったモスクワ警察などは、誘拐犯の携帯電話のシグナルを追跡して居場所を確認したようだ。

CEOのEugene Kaspersky氏の息子、Ivan Kaspersky氏が行方不明と報じられたのは4月20日のことだ。当時、複数のロシアのメディアが、4月19日の午前、モスクワ北西部でIvan Kaspersky氏が誘拐されたと報じていた。Ivan Kaspersky氏はこのとき、母親でKaspersky Labを共同設立者でもあるNatalya Kaspersky氏の会社InfoWatchに通勤途中だったという。

Kaspersky Labは声明文で、ロシア連邦保安院、モスクワ警察犯罪調査部、それにKaspersky Labの警備員がIvan Kaspersky氏の救出に成功したと述べた。Ivan Kaspersky氏は健康状態も良好で、安全な場所にいるという。

The Moscow Timesらの報道によると、警察らは誘拐犯の携帯電話のシグナルを追跡して居場所をつきとめたという。Ivan Kaspersky氏は誘拐犯のモスクワの自宅内のロシア風呂に拉致されていたとのことで、警察らは身代金の支払いにみせかけて誘拐犯に会ったところで取り押さえ、Ivan Kaspersky氏を救出したようだ。誘拐を試みたのは、61歳のNikolai Savelyev氏とその妻(64歳)、その息子(29歳)、および息子の友達2人の合計5人と報じられている。

誘拐犯は身代金として300万ユーロを要求していたというが、Kaspersky Labは金額は特定せず、「救出活動にあたって身代金は支払わなかった」と述べている。

Forbes Russiaでは、Eugene Kaspersky氏の資産は8億ユーロと見積もっている。