旭硝子(AGC)は4月21日、タッチパネル用ガラス基板として、厚さ0.28mmのソーダライムガラスの開発に成功したことを発表した。2011年4月下旬よりフロート法を活用して量産を開始、スマートフォンやタブレットPCなどの電子機器向けタッチパネル用ガラス基板市場に向けて販売を予定しており、2013年に売上高100億円以上を目指すとともに、同製品を含めたディスプレイ用特殊ガラスなどの新商品を2013年に売上高1000億円以上に拡大することを目指すとしている。

今回開発された0.28mmのタッチパネル用ガラス基板

スマートフォンやタブレットPCの操作方法としては、タッチパネルが主流となっている。タッチパネルは表面を保護するカバー材と電極層を配置する基板材で構成されており、基板材には熱による変形がほとんどなく、紫外線などによる変色が少なく耐候性が高い、加工性に優れ化学強化処理ができる、などの特徴から、ソーダライムガラスが広く使われている。

投影型静電容量方式のタッチパネルの構造

しかし、スマートフォンやタブレットPCなどのモバイル端末は、持ち運びやすさが求められており、タッチパネル用ガラス基板にも薄さと軽量化が課題として求められていた。

これまで、世界最薄のタッチパネル用ガラス基板は0.33mmであったが、今回、同社は同製品比約15%の薄さ向上に成功しており、重量も約15%の軽量化を実現している。

なお、同社では今回のようなタッチパネル用ガラス基板や化学強化用特殊ガラス「Dragontrail」などのディスプレイ用特殊ガラスを通じて、ソリューションとしての提供を進めていく方針を打ち出している。