韓国Woongjin Cowayの日本法人であるコーウェイは4月18日、自社製品の家庭用逆浸透膜(RO)浄水器フィルタを用い、福島県福島市で採取した雨水をろ過する試験を実施した結果、放射性ヨウ素ならびに放射性セシウムに対する除去能力を確認したことを発表した。

具体的な試験方法としては、2011年3月15日に福島県福島市において日本環境調査研究所が各種の試験用に採取していた雨水を活用する形で、4月11日にコーウェイのRO浄水器のフィルタシステム(ネオセンスフィルタ、ROメンブレンフィルタ、イノセンスフィルタの3フィルタで構成)を用いてろ過を行った。その結果、放射性ヨウ素I-131、放射性セシウムCs-137、Cs-134のいずれも検出されなかったという。

測定結果報告書。原水OLD・回収水OLDは交換期限まで使用した使用済みのフィルタを使用して試験を行ったもの。原水NEW・回収水NEWは新品のフィルターを使用して試験を行ったもの。検出限界値は、「飲食物の摂取制限に関する指標」に基づく飲料水の基準よりも低くなっているため、検出限界未満であることは、飲料水として安全であるといえる(飲料水の基準は放射性ヨウ素-131:300Bq/kg(乳児100Bq/kg)以上、放射性セシウム:200Bq/kg以上、いずれも「原子力施設等の防災対策について」(原子力安全委員会)より)

実験の様子。赤枠内が、1-3のフィルタ。上記のステップに合わせて使用した

各フィルタのイメージ

コーウェイでは、今回の福島第一原発の影響によって生じた水道水からの放射性物質検出および摂取制限において、多数の問い合わせを受けたことから今回の試験を実施したと説明している。

また、浄水器は販売のほか、レンタルも行っているが、3歳以下の子どものいる家庭で新しく浄水器をレンタルする場合、設置費用(通常9800円)を無料にサービスを現在行っているという。

コーウェイが提供する各種浄水器(出所:コーウェイWebサイト)