Intelは4月12日、タブレット機器向け「Intel Atom プラットフォーム製品」(開発コード名:Oak Trail)を発表した。同製品を搭載した製品は、2011年5月から2011年末にかけて、順次販売される予定で、Evolve III、富士通、Lenovo、Motion Computing、Razer、Vilivなどのシステム・メーカー各社から、タブレット機器やハイブリッド端末として35機種以上発売される予定となっている。

グラフィックス機能とメモリ・コントローラを搭載したOak Trailのダイ。前世代品比でパッケージサイズは60%ほど小さくなっているという

また、現在、同社が中国・北京で開催している開発者向け会議「Intel Developer Forum(IDF)」において、開発中の32nmプロセス技術に基づく次世代Atomプラットフォーム製品「Cedar Trail(開発コード名)」について、一部を公開しており、同社では今後3年間で3つのプロセス技術を採用した新製品を市場投入する計画としている。

Atom Z6xxとチップセットSM35のパッケージ外観

Oak Trailプラットフォームを構成する、Atomプロセッサである「Z670」は、パフォーマンスを犠牲にすることなく、動画再生機能の向上、スムーズなインターネット・ブラウジング、そしてバッテリ駆動時間の向上を実現している。Oak Trailでは、1080pビデオのデコードやHDMIへの対応によりリッチ・メディアの取り扱いが可能になるほか、Adobe Flashテクノロジにも対応したことで、リッチ・コンテンツやFlashベースのゲームを楽しむことができるようになっている。

また、Google Android、MeeGo、WindowsなどのさまざまなOS上でアプリケーションを稼働させることができるほか、グラフィックス機能とメモリ・コントローラが直接プロセッサ上に搭載されたため、従来より小型化・薄型化したデバイスを提供することが可能となっている。

プロセッササイズは従来製品に比べ60%小さくなっており、省電力設計によりバッテリを最大1日持続することができるほか、拡張された「Intel Deep Sleep」などの機能も追加され、最適化された「Intel SpeedStepテクノロジー」とともに非アクティブ時の消費電力を低減することが可能となっている。

チップセットにはIntel SM35 Expressを採用し、ハイスピードUSB 2.0やIntel High Definition Audioなどの機能を提供することが可能となっている。

なお、Atom Z670のほか、WindowsおよびMeeGo OS対応の組込機器向けIntel Atom プロセッサZ650を7年のライフサイクル・サポートで提供する。

一方の32nmプロセス採用のCedar Trailは、Blu-ray 2.0への対応、フル1080pビデオ再生の専用メディアエンジンや、HDMI出力、DisplayPortなどのデジタル・ディスプレイ用追加オプションなどのグラフィックス機能が強化される。また、Intel Wireless Music、Intel Wireless Display、PCシンク機能、ファーストブート機能などの新機能が搭載されるほか、低消費電力化とTDPの向上により、ファンレスでバッテリの持続時間を向上させる設計が可能になるという。

すでに、Cedar Trailのサンプル出荷は開始されており、Cedar Trailプラットフォームを採用した次世代モバイル製品やデスクトップ製品は、2011年後半に登場する見込みとなっている。