住友化学と韓国の三星LEDは、LED用サファイア基板に関する製造・販売・研究機能を持つ合弁会社を韓国で設立することで合意した。同合弁会社は当初はLEDサファイア基板事業からスタートし、将来的にはLED関連部材のトータルプロバイダとなることを目指すとしている。

LEDは、サファイアのインゴットを薄く切って加工したサファイア基板上に発光層を形成して製造するが、液晶テレビ用バックライト、照明、自動車向けを中心に今後の市場拡大が見込まれており、サファイア基板などの関連部材の需要も今後も増加する見通しとなっている。

そうした市場動向を受け、サファイア基板の原料である高純度アルミナや、LED用パッケージ材料に用いられる液晶ポリマー(LCP)などを有している住友化学は2010年初頭に同社100%子会社の東友ファインケム(韓国)においてサファイア基板の開発に着手、早期商業化へ向けた生産体制の整備を進めてきた。

一方、三星LEDは、LED事業を将来のコア事業の1つと定めており、戦略的な増強投資を計画している。

今回の協業により両社は、各々の技術・市場面などでシナジー効果を実現し、競争力を強化することで、今後も大きな成長が予想されるLED市場で事業の拡大を図ることができるものと考えていると説明している。