Gears - Improving Your Web Browser

GoogleはGearsの提供終了を発表した。

今後新しいバージョンがリリースされることはなく、IE9やFirefox 4といった新しいブラウザがサポートされることもない。また、Chromeに関しても、Chrome 12からはGears機能が削除される見通し。ソースコードはオープンソースソフトウェアとして公開され続けることになるが、GoogleはChrome 12の公開をもって実質的にGearsを廃止する。

GoogleはWebアプリケーションの機能拡張を目的としてGoogle Gears APIを提供してきた。Gearsはオフライン機能、データベース機能、ファイル操作機能、位置情報機能、通知機能、スレッド機能などを提供し、Webアプリケーションの適用範囲拡大に寄与した。その後GoogleはGears APIではなくHTML5を使って同様の機能を実現していくと発表。HTML5に各種機能を取り込む活動を続けてきた。

HTML5にはアプリケーションキャッシュ、IndexedDB API、File API、位置情報機能、通知機能、WebWorkers機能などが導入され、GoogleがGearsで目指していたものは実現されつつある。

WebページやWebサイトにHTML5の機能を使うには、ユーザが使用しているブラウザのサポート範囲を加味する必要があるため、実際に採用するには検討課題も多い。しかし、GoogleはChrome Web Storeなどを提供しており、そこで登場してくるアプリケーション次第ではHTML5の利用も進んでいくと思われる。