JR東日本は3月8日、通勤電車用シートに関して、シート単体の座り心地のよさだけでなく、周囲の客も快適に利用できることを目指したシートを開発したと発表した。同シートの実用化に向け、2011年6月から山手線の1編成1両で試行が行われる。

同シートは、慶應義塾大学理工学部機械工学科 山崎信寿教授とJR東日本研究開発センター先端鉄道システム開発センターとの共同研究によるもの。

試作シートが開発された経緯としては、通勤電車用シートについて、膝の開き・もたれかかり・足の投げ出しにより周囲の客が不快に感じたり、客自身が着座時に周囲に迷惑をかけていないか気にしたりしているケースが多いことがある。

背もたれは体幹の安定と深座りを促進するため低減されている。座面は膝開き防止と深座りを促進すため、「座面最凹点を奥へ移動」、「中央部を低くして前傾」、「座面左右部を盛り上げて大腿部を支持」といった工夫が凝らされている。

従来のシートと試作シートの比較

体幹の安定と深座りを促進する背もたれ

膝開き防止と深座りを促進する座面