第2世代iPad(iPad 2)の正式発表前から、今年の後半にも第3世代のiPad(iPad 3)が登場するのではないかという噂が流れている。この噂について、アナリストのMing-Chi Kuo氏が今秋登場するのはRetina display採用の「iPad 3」と6インチの「大画面iPod touch」の2製品ではないかと予測している。AppleInsiderが伝えている

この予測は、AppleInsiderが1月に、iPad 2の製造計画などについてKuo氏のレポートを求めた際に語ったことだという。

Kuo氏によれば、iPad 3は、Retina Display同等の表示品質を持つ2,048×1,536ドットのディスプレイを搭載するという。この高解像度ディスプレイは当初iPad 2への採用が予想されていたが、The Wall Street JournalがiPad 2のディスプレイが従来と同じ解像度だと報じている。Kuo氏はThe Wall Street Journalの報道の前から、製造上の歩留まりの問題・コストなどをふまえ、iPad 2における高解像度ディスプレイの搭載には否定的で、より薄型で低反射なデバイスにとどまるのではないかとの予測を示していた。

そして同時に、今年後半には現行のiPadとiPhoneの中間の画面サイズを持つ新しいiOSデバイスが登場するのではないかとKuo氏は予想している。この中間サイズの新デバイスについては昨年からたびたび噂が流れていたが、昨年Apple CEOのSteve Jobsが操作性・携帯性の問題から「7インチタブレットはDOAだ」と語ったことによりいったんは否定された。しかし最近でもチェコのSuperApple.czが5.7インチと6インチの2つの画面サイズのタブレット製品についての情報を入手したと報じるなど、噂は根強い。

AppleInsiderでは6インチという画面サイズについて、Appleはここには現行のiPadの画面を小さく表示するのではなく、iPod touchの画面を拡大して表示することを考えているのではないかとしている。これならば、画面の小型化による操作性の難点は発生しない。また、今秋はソニーがPSPの後継となる新型携帯ゲーム機「NGP」を発売することになっており、このところiPod touchを携帯ゲーム機としてアピールしているAppleが対抗製品として大画面モデルを投入するというのは不自然な話ではない。

そもそもJobs氏の発言にしても、かつてiPod上のビデオ再生が話題になったとき、当初「iPodの小さな画面サイズに動画再生は必要ない」としていながら、最終的にはそれを翻してiPodに動画再生機能を搭載したという例がある。今回の小型タブレットについても、同様のケースとなるのかもしれない。