芸術家・岡本太郎の生誕100年企画ドラマ『TAROの塔』(2月26日スタート、NHK総合)の制作発表会見が17日、都内同局で行われ、主演の岡本太郎を演じる松尾スズキ、常盤貴子、寺島しのぶ、田辺誠一が出席した。

左から、田辺誠一、寺島しのぶ、松尾スズキ、常盤貴子 拡大画像を見る

数々の刺激的な作品を生み出し、「芸術は爆発だ!」などの名セリフを残した岡本太郎の知られざる生涯を初映像化。彼の誕生から、1970年に日本万国博覧会で傑作「太陽の塔」を完成させるまでを軸に、女流歌人の母・かの子(寺島)と人気漫画家の父・一平(田辺)との破天荒な家族模様や、太郎の秘書で後にパートナーとして養女となる平野敏子(常盤)との出会いを描く。

徹底取材と膨大な資料から再構築し、"重さ"と"躍動感"がみなぎる同作。前日に完成した第1話の映像を見たという常盤は「私の最後のセリフに『何だ、これは』ってぼう然とするシーンがあるんですが、まさに今そんな気持ち。初めて目にするような、事件のようなドラマになると思う」と出来栄えに驚き、岡本の生きざま同様、刺激的なドラマの見どころを語った。

一方、会見で、岡本の面影を残すように異彩を放っていた松尾は、「キテレツであることでしか人とつながりが持てなかったんじゃないかな。人から共感を得られず孤独だったと思うし、そこは自分も共鳴します」と亡き岡本に思いを馳せ、「岡本さんの"対極主義"という言葉の通りに、一般のキテレツなイメージと僕の感じたイメージをぶつけ合うことでエネルギーを発散させようと思った。でも、『芸術は爆発だ!』のコマーシャルは何度も鏡を見てめっちゃマネしました。あれだけはやりたかったんです(笑)」と役作りについて明かした。また、奇と正が紙一重の芸術家の母親を演じた寺島は、ドラマ以前からリスペクトしていたという、かの子役を即答で引き受けたと話し、「本当に楽しい現場。まだまだいっぱいやりたかった」と撮影を振り返り、第1話でかの子が狂気の沙汰で自分の顔に赤い塗料を塗りたくるが、「台本にはないんですが、どうしても自分の顔を赤く塗りたくなっちゃって(笑)。自画自賛だけどアーティスティックな出来上がりになりました」と寺島自身、遊び心を満喫した様子だった。

ドラマ『TAROの塔』は、生誕100年にあたる2月26日からNHK総合にて、毎週土曜日21:00~全4回で放送。