米Gartnerは2月9日(英国時間)、2010年通年の世界携帯電話市場の調査報告書を発表した。同年、スマートフォンは前年比73.1%増加して2億9664万台を出荷、全体の19%を占めるまで成長した。

2010年、携帯電話の総出荷台数は15億9680万台。これは、2009年の12億台から31.8%増加となる。このうち、標準OSを搭載したスマートフォンは、前年比73.1%増の2億9664万台を売り上げた。スマートフォンは現在、高速なネットワークと経済的に余裕のある消費者が多い成長市場に集中しており、西欧州と北米で52.3%を占めるという。この2つの市場では、販売される携帯電話の半分がスマートフォンとのことだ。

スマートフォンの成長は、ベンダー別シェアの順位にも影響を与えている。2010年、「Blackberry」ラインでスマートフォンを展開するカナダResearch In Motion(RIM)、「iPhone」の米Appleがそれぞれ4位と5位にランクインした。これにより、昨年4位の米Motorolaは7位に、同5位の英Sony Ericssonは6位に順位を下げた。

ベンダー別シェアは、1位がフィンランドNokia(シェア28.9%)、2位が韓国Samsung(同17.6%)、3位が韓国LG Electronics(同7.1%)。Nokiaは前年から7.5ポイント、Samsungは1.9ポイント、LGは3ポイントと、トップ3はそれぞれ縮小している。なかでもNokiaとLGについては、スマートフォンの戦略を見直す必要がある、とGartnerのアナリストは指摘している。

スマートフォンOS別シェアは、1位がSymbian(シェア37.6%)、2位がAndroid(同22.7%)、3位がRIM(同16%)、4位がiOS(同15.7%)、5位が米Microsoft(同4.2%)。シェアが伸びたのはAndroidとiOSの2種類で、Androidは前年比888.8%増と驚異的な成長を遂げ、昨年5位から2位に躍り出た。