経済産業省は31日、12月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(2005年=100)は前月比3.1%上昇の94.6(季節調整済み)だった。2カ月連続の上昇。前年同月比は4.6%の上昇。出荷、在庫も上昇、在庫率は横ばいだった。同省は基調判断を「生産は弱含みで推移している」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。

鉱工業生産指数は、景気判断で最も重要な指標のひとつで特に速報値は注目度が高い。12月の鉱工業生産指数で上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業等だった。品目別では、普通乗用車、固定コンデンサ、駆動伝導・操縦装置部品の順に上昇に寄与している。出荷指数は前月比1.1%上昇の95.7。こちらも2カ月連続の上昇(前年同月比は5.3%の上昇)。上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、プラスチック製品工業等だった。

生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月比1.4%上昇の96.2で、3カ月ぶりの上昇(前年同月比は3.4%の上昇)。在庫の低下に寄与した業種は、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業等だった。在庫とその出荷の比率をみることにより、製品の需要状況を示す在庫率は、前月比0.0%の横ばいで108.1。前年同月比は1.8%の低下となった。

同時に発表した製造工業生産予測調査では、1月が前月比5.7%の上昇、2月が1.2%の低下となっている。

※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値