Mac OS用画像処理ソフト「Pixelmator」を提供するPixelmator Teamが25日(米国時間)に、Mac App Storeでの販売開始から20日間で総売上が100万ドル (約8200万円)を超えたことを明らかにした。

PixelmatorはGPUを活用した軽快な動作で人気が高い。Pixelmator TeamはMac App Store開始を機に、いち早く販売チャンネルを同ストアに1本化すると表明した。過去にダウンロード版またはディスク版を購入したPixelmatorユーザーがMac App Storeへの移行にふみ切れるように、59.99ドルで販売しているPixelmatorをMac App Storeでは期間限定で29.99ドルに値下げし、さらに今年後半にリリースされる予定のPixelmator 2.0の無料アップグレードを提供する。総売上100万ドル突破は、こうした移行キャンペーンが奏効したと考えられる。

Pixelmator

25日時点で米国のMac App Storeのトップセールス・ランキングでPixelmatorは2位となっている。1位はMac App Store価格がパッケージ版の半額以下の「Aperture 3」だ。Mac App Storeで販売されている有料ソフトは、ストアオープン特価の製品の人気が今なお根強い。

価格を抑えたソフトは販売ペースが安定

Pixelmator Team以外にも、いくつかのソフトウエアベンダーがMac App Storeでの売上げデータを公開している。

LittleFin Softwareは、家庭用インベントリー管理の「Compartments」(9.99ドル)がMac App Storeのスタッフのおすすめに選ばれたことで初日に1,500コピーが売れ、その後の2日間も約1000コピーを維持した。iOSデバイス向けアプリを配信・販売するApp Storeと同様、Appleのスタッフの目にとまることが成否に影響するようだ。一方でMac App Storeでフィーチャーされていないファイナンスソフト「Chronicle」(9.99ドル)も1日に80-100コピーと、それまでの10倍程度の販売数になった。従来のダウンロード購入やパッケージ版の購入に比べて、Mac App StoreではMacユーザーが簡単にソフトを購入できるため、「(購入に抵抗が少ない)低い価格の方が販売ペースを維持できる」とLittleFin設立者のMike Dattolo氏は指摘している。

ホームページ作成ソフト「RapidWeaver」(39.99ドル)などを提供するRealMacSoftwareは最初の2日間で5,000コピー近くを販売したが、その後の落ち込みが大きく、「どのような製品でもローンチからしばらくすると勢いが収まるという点では、Mac App Storeも変わらない」としている。しかしながら、いま結論を出すのは避け、1年間のデータが揃った時点でMac App Storeの効果を判断するという。

フリーミアム・モデルを採用しているEvernoteのPhil Libin氏は逆に「Mac App Storeは初日から製品を提供した価値があった」と述べている。「Evernote」は初日に約90,000回ダウンロードされ、Macから約40,000人が新規登録したという。配信・インストール・アップデートがまとめられたMac App Storeは、サービスユーザーに無料ツールを提供するのに望ましい場である。それだけではなく、数クリックでインストールまで完了する手軽さは新規ユーザーがサービスに入ってくる敷居も低くしているようだ。

1月1日からMac App Storeがオープンした6日までのEvernote新規登録の推移。赤い部分がMacからの登録