米Verizon Wirelessが2月10日(米国時間)に、米国において米Appleの「iPhone 4」を発売する。同社はCDMA2000 1x EV-DO方式を採用しており、CDMA系ネットワークに対応する初のiPhoneの登場になる。またVerizon版が加わることで、米国における1キャリア(AT&T)による独占的なiPhone提供に終止符が打たれることになる。

米ニューヨーク市で開催したプレスイベントでiPhone 4の提供を説明するVerizon Wireless社長兼CEOのDan Mead氏

既存のiPhone 4とVerizon版の違いはCDMA2000 1x EV-DO方式の3Gネットワークのサポートのみで、ほかの仕様は同じだ。A4チップ、Retinaディスプレイ、LEDフラッシュ付き500万画素カメラ(背面)などを搭載。HDビデオの撮影・編集、FaceTimeなどをサポートする。Verizonは現在、米国での4G LTEサービスの展開に力を注いでおり、ラスベガスで1月6日-9日に開催された2011 International CESでLTE対応のAndroidデバイスを発表した。しかし、iPhone 4で利用できるのは3Gネットワークのみとなる。

Verizon版iPhone 4には3G Mobile Hotspotアプリがプリインストールされ、最大5台のWi-Fiデバイスとインターネット接続を共有するパーソナルホットスポット機能を利用できる。ほかにもVerizonはVZ NavigatorやV CAST Media Managerなどのアプリを用意するという。

価格は2年間のサービス契約に同意した場合、16GBモデルが199.99ドル、32GBモデルが299.99ドルになる。データプランや通信サービス料金については後日発表する予定。2月3日からVerizonWireless.comで予約受付を開始する。

Verizonは米国で「最も安定してつながる携帯ネットワーク」という評価を受けている。また過去1年半の間にDROIDシリーズなどのAndroidスマートフォンを積極的に提供しており、米国におけるAndroid普及をけん引する存在になっていた。Verizon版iPhone 4は現時点で米国において最も人気の高いモバイルネットワークとスマートフォン端末の組み合わせの実現であり、そしてAndroidの牙城にAppleが切り込んだという見方もできる。