アジア時間概況

アジア時間は小動き状態。

アメリカがクリスマス休日のため、市場参加者は積極的な売買を傾けにくく、カバーベースの展開となっている。

日本225種株価指数では、ユーロ円などで円高が進んだことで、利益確定の売りが上値を抑えている。また、為替市場では、中値ベースでの買いで、ドル円は83円台を回復したものの、追随の動きはあまりなく失速。欧州問題からのクロス円の売り圧力が重石となっていたようだ。

こういった中、米金利が低下したことを受けて、ドルが対ユーロなどで軟調に推移しているが、株式市場における利益確定の動きを受け、短期的なポジション調整の範囲内と市場ではみている。

本日の主要経済指標

なし

欧米時間の見通し

本日はアメリカの市場(為替以外)が休場であり、イギリス・オーストラリアなどでは長いクリスマス休日(28日まで)を控えているため、積極的な売買は行われにくい。

市場の注目は、欧州の信用問題。昨日のNY時間にS&Pがフランスの格付けを維持することを発表した。しかし、CDSの価格が問題視されているスペイン・ポルトガルより低い水準とはいえ、ドイツより高い状態では、そう簡単に市場のネガティブ思考が払拭される雰囲気ではなさそうだ。

また、気になるところでは、クリスマスの時期に加え年度末ということから、市場の流動性低下となりやすいことを改めて金融機関等が警戒している点が挙げられる。流動性が多少低下傾向に入る12月初旬と比べ半分以下に低下するとも言われており、ソブリンリスクが懸念されている中では、欧州当局筋も含め、気になるところであろう。

ただ、昨日の海外時間のように、避難通貨として好感されていたスイスフランにおいて対ユーロで利益確定の動きが出たように、ある程度リスク回避的な動きで堅調に推移してきた銘柄、通貨ペアは利益確定の動きが出てくる可能性は否定できない。もっとも、根本にある問題は継続されていることから、トレンド転換とは言いにくいか。

こういった中、来週はイベントが少ない週とはいえ、アメリカからいくつかの経済指標が発表される。雇用関連の数値が前月から弱い内容になっているとはいえ、ブッシュ減税を含めていくつかの法案に絡んで来年の見通しをポジティブにとらえる向きが多くなっている。企業マインドも恐る恐るの状態から、通常の状態に戻れば、欧州経済よりは回復期待が市場で高まりやすいかもしれない。その場合には、EURUSDの200日移動平均線以下の推移が定着してくるのであろうか。市場では下値のめどを、1.25台、105円台とみているようだが、注意はしておきたい。