米Microsoftは12月21日(現地時間)、10月より世界での順次提供が開始された「Windows Phone 7」端末について、発売後6週間での出荷台数が150万台を突破したことを発表した。同社はこれまでWP7の販売台数に関するデータの提供を断っており、販売状況があまり芳しくないとの噂が上がっていた。今回の正式発表により、一定のマイルストーンが達成できていることが判明した。

今回の発表は、米MicrosoftでWindows Phoneビジネス&マーケティング担当VPのAchim Berg氏が社内インタビューに答える形式で公式データを公開したもの。Windows Phone 7は10月21日に欧州とアジアの一部地域での提供が開始され、11月8日に米国とカナダを含む北米地域での提供がスタートした。6週間という期間は10月のローンチから12月初旬までの時期ということになるが、これはメーカーから携帯キャリア等へのチャネルの出荷台数であるため、実質的に12月いっぱいまで続くクリスマス商戦全体をカバーする数字になるとみられる。Computerworldによれば、J. Gold AssociatesのアナリストJack Gold氏の予測として、メーカー出荷台数のうち2割ほどはチャネルでの在庫として残っているとの見通しがあり、現時点での実際の販売台数は120万台程度だとみられる。

この120万台という数字をどうとるかだが、悪くない、だが際立って良くもないといったところだろう。例えば、ライバルとなるiPhoneの場合、初代iPhoneの100万台達成には約3カ月かかっている。Androidの場合、最初のAndroid端末である「T-Mobile G1」の100万台セールス達成には半年以上の期間を要している。この場合、Windows Phone 7の出だしとしては好調なスタートを切ったといえるだろう。

だがiPhoneやAndroidでは当初製品ラインナップや提供地域が非常に限られていた一方で、Windows Phone 7は最初から世界展開が行われ、ラインナップが充実していたという違いがある。例えばiPhoneの場合、世界展開が開始されたiPhone 3G、iPhone 3GS、iPhone 4ではそれぞれ発売後3日間で100万台100万台170万台のセールスを達成している。またAndroidも製品ラインナップが拡充され、OSとしての機能がこなれた2008年後半以降は順調にセールスを伸ばしており、米GoogleでAndroid開発責任者のAndy Rubin氏が12月初旬に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたカンファレンスで明かしたところによれば、1日あたり30万台のAndroid端末がアクティベーションされている状況だという。

「良いスタートを切ったが、先行するライバルらとの距離はまだ遠い」という評価が正しいのかもしれない。