Infineon Technologiesは、独連邦教育研究省(BMBF)が資金を提供し、半導体業界と太陽光発電業界の6社がパートナーとして参加している、再生可能なエネルギー源から得た電力を効率的に使用するための新たな手段として、広バンドギャップ化合物半導体を採用したパワーデバイスの開発を行う「NEULANDプロジェクト」の概要を発表した。

同プロジェクトは、システムコストを向上させることなく、グリッド(太陽光発電インバータなど)に送られる電力の損失を50%削減することを目指すもので、SiCとGaN-on-Siを採用した半導体デバイスを用いることで、目標を達成する計画で、こうした半導体デバイスは、将来的にはデスクトップPCやノートPC、薄型TV、サーバ、通信システムのスイッチモード電源に使用される予定で、こうしたアプリケーションでも、エネルギー損失を約半分に抑えることを目指すとしている。

参加企業は、半導体製造用蒸着装置を手がける「AIXTRON」、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いてSi基板上でGaNを成長させる技術を有する半導体ウェハベンダ「AZZURRO Semiconductor」、単結晶SiCウェハの生産と供給を行っている「SiCrystal」、GaNを用いたハイパワー半導体デバイスの設計と製造を行う「MicroGaN」、太陽光発電インバータなどを手がける「SMA Solar Technology」、そしてInfineonとなっている。

なお、プロジェクトの実施期間は2013年半ばまでを予定しており、ドイツ連邦政府のハイテク戦略「Information and Communications Technology 2020プログラム(ICT 2020)」の下、「エネルギー効率を向上させるパワーエレクトロニクス」に関する提案の1つとして、BMBFより約470万ユーロの資金提供を受けるものとなっている。