12月5日に大阪城ホールで歌手の平原綾香が1万人の大合唱団と共演した音楽イベント「1万人の第九」の模様が23日、特別番組『1万人の第九 meets 平原綾香 ~フロイデ×ジョイフル~』(毎日放送ほか 15:55~)で放送される。

「1万人の第九」にゲスト出演した平原綾香 拡大画像を見る

「1万人の第九」は今年で28回目を迎える師走恒例の大規模コンサート。世界的指揮者・佐渡裕の総監督・指揮のもと、一般公募で参加した1万人の合唱団がゲストアーティストとともにベートーベンの『交響曲第九番』を歌い上げる。今年のゲストは、昨年の1万人の第九合唱団へのアンケートで“共演したいアーティスト”のNo.1に選ばれた平原綾香。平原はクラシックをカバーしたデビュー曲『ジュピター』で1万人の合唱団と初共演を果たしたほか、自身で日本語の歌詞をつけた『第九』第3楽章の伸びやかな独唱を聴かせ、合唱団、観客を含めた14,200人を酔わせた。

終演後、平原は「伝統的なイベントに参加できて大変うれしかったです。かっこいい壮大なイベントに感動しました」と感想を。「第九を聞いていて何度も涙がこぼれました。人間の声はこんなに勇気を与えれくれるんだということを感じました。この場所で歌えて、(1万人の声が)聞けて最高に幸せでした」とホールに響き渡った1万人の歌声の力に興奮覚めやらぬ様子だった。

1万人の歌声に「涙がこぼれた」と平原。12回目の総監督・指揮となる佐渡(右)は「1万人の心技体がひとつになった」と感激

また、このイベントのために自ら手掛けた第3楽章の歌詞については「私の力では乗り越えられないかもしれないと思ったこともありました。何回も書き直して、何百回も指揮されている佐渡さんに違和感がないようにするにはどうしたらよいか試行錯誤しました。歌詞作りがこんなに大変だったのは初めてです」と制作の苦労を語った。

日本語詞による第3楽章のカバーは世界初演。それだけにプレッシャーも大きかったようだが、「愛される美しいメロディなので心を込めて歌いました」と平原。そんな渾身の熱唱を、指揮を務めた佐渡は「平原さんはオクターブ下の低いキーまで歌っていて、大きな愛情というか純粋な精神を感じました。究極の愛の歌を聞かされた気がします。伴奏もピアノとベースだけの歌に1万人が耳をすますというのはなかなかないこと。そのシーンに立ち会えたこともよかった」と絶賛。この日、1万人の合唱団は『歓喜の歌』として知られる第4楽章を歌ったが、平原は「いつか1万人が第3楽章を歌う日が来るといいなと思っています」と夢を語っていた。

なお、12月23日に放送される特別番組では、コンサートの模様のほか、平原の歌詞制作、佐渡の音作りの様子などを追ったドキュメンタリー映像も放送される。