プラットフォームビジネスユニット 支配人 赤津素康氏

NECは12月20日、ブレードサーバ「Express5800/SIGMABLADE」において、中堅・中小市場向けに製品ラインアップを強化した。今回発表された新製品はSIGMABLADE-M専用「UPSユニット」、テープブレード「AT101a」、SIGMABLADE-M専用「IO共有スイッチ」など。

プラットフォームビジネスユニット支配人の赤津 素康氏は、「当社のブレードサーバの出荷は年率115%で増えている。なかでも、サーバ8台以下の中小規模の案件の伸びは年率120%となっており、それらにおいて仮想化案件の数は2年前の3倍となっている」と、同社のブレードサーバビジネス、特に中堅・中小市場での好調ぶりをアピールした。

同社では、中堅・中小企業のシステムではブレードサーバが主役であるとして、「"導入の容易性"、"コンパクト性"、"高運用性"に重きを置いて強化を図っていく」と同氏。今回発表された新製品群もこの方針を具現化するもの。

NECのブレードシステムにおける対応方針

プラットフォームマーケティング戦略本部 統括マネージャの浅賀博行氏

新製品の特徴については、プラットフォームマーケティング戦略本部 統括マネージャの浅賀博行氏が説明を行った。

ブレードシャーシに内蔵できるUPSユニットとテープブレード「AT101a」は既存のITインフラに統合できる「コンパクト性」を実現する。UPSとテープ装置をシャーシに内蔵することでラックスペースは6Uに抑えられ、ラックスペースを約50%減らすことができる「鉛を使っている従来のUPSに対し、SIGMABLADE-M専用UPSユニットはニッケル水素バッテリを使っている。これにより、5年間バッテリの交換が不要になっている」

コンパクト性を実現するUPSユニットとテープブレード「AT101a」

ケーブルレスのため、保守性が向上し増設も容易

IO共有スイッチは「高運用性」を実現する。一般的なサーバでI/Oを拡張する場合、サーバごとに拡張カードを増設しなければならない。これに対し同スイッチを使えば、FCカード、SASカード、LANカードといった拡張カードを複数サーバで共有できる。コスト面では、サーバ単位で拡張カードを搭載する場合に比べて、ネットワークは約60%、ブレードシステム全体で約30%削減できるという。

IO共有スイッチによってネットワーク関連のコストは約60%削減可能

また、3台の電源ユニットで電力を供給する従来の仕組みに対し、UPSユニットを電源の代用として活用することで2台の電源で電力供給が可能になるため、省電力化が実現される。ブレードシステム全体で見ると、消費電力が従来の同等構成に比べて約30%削減されている。

UPSユニットの価格は39万円から、AT101aは60万円から、IO共有スイッチは98万円からとなっている(いずれも税抜)。

今回発表されたExpress5800/SIGMABLADEシリーズの新製品群