ARMは、「ARM Cortexマイクロコントローラ・ソフトウェア・インタフェース規格(CMSIS)」のバージョン2.0を発表した。

CMSISはベンダに依存しないハードウェア抽象化レイヤで、今回のバージョンはその改良版となる。Cortex-M4プロセッサ向けの拡張を含み、高度に最適化した信号処理アルゴリズムを集めたCMSIS-DSPライブラリを備えている。

CMSIS-DSPライブラリには、ベクタ演算、マトリックス処理、複素数算術、フィルタ関数、制御関数、PIDコントローラ、フーリエ変換など多くのDSPアルゴリズムが含まれ、ほとんどのアルゴリズムは、浮動小数点形式と各種の固定小数点形式で提供され、Cortex-M3、Cortex-M4プロセッサに最適化されている。

Cortex-M4の実装では、Cortex-M4プロセッサの性能を信号処理アルゴリズムに最大限に発揮させるため、ARM DSP SIMD命令セットと浮動小数点ハードウェアを使用する。最適化されたCMSIS-DSPライブラリは、すべてC言語で記述され、ソース・コードで提供されるため、ソフトウェア・プログラマは各アプリケーションの必要に応じてアルゴリズムを修正することが可能だ。

なお、CMSIS-DSPライブラリを含むCMSIS 2.0は、すでに同社が提供する組み込み開発者向けWebサイトよりダウンロードして利用することが可能となっている。