サン電子は12月14日、M2M(Machine-to-Machine)市場向けにイー・モバイルと販売協力体制を構築することで合意したことを発表した。これによりファーウェイ・ジャパン製HSPAモジュール「EM770J」を搭載し、イー・モバイルのデータ通信サービスに対応したハイスピードモバイルルータ「Rooster-H700」をサン電子が提供し、イー・モバイルは同ルータを定額利用することが可能なプランの提供を行う。

HSPA対応のハイスピードモバイルルータ「Rooster-H700」

同ルータは、M2M向けとして駅構内や商業施設の外壁などに設置されるデジタルサイネージのコンテンツ配信や、計測機器からの大容量のデータ通信、ネットワークカメラの遠隔監視など、通信速度が求められるソリューション向けに開発されたもの。

HSPA対応のため、上り5.8Mbps、下り7.2Mbps の高速パケット通信に対応しており、メインモード/アグレッシブモードの各モードに対応したハードウェア処理によるVPN(IPsec 暗号化アルゴリズム:3DES)機能の搭載により、モバイル通信網を利用した高セキュリティな多拠点ネットワークを構築する事が可能だ。また、Rooster-H700同士はもちろん、従来のRoosterシリーズとVPN接続する事も可能となっている。

さらに、無人環境においても長期間での安定した運用を可能にするため、従来シリーズから搭載してきた各種電源制御機能をRooster-H700にも搭載。「ソフトウェア制御によるルータの自動電源OFF/ON(通信中は非動作、回線切断時に動作)」の設定は、24時間ごと、曜日、時刻の指定が可能なほか、「ハードウェア処理による電源OFF/ON」は、35時間ごとまたは6日ごとに強制的に電源OFF/ONする設定が可能だ。

加えて、従来シリーズで搭載されてきた各種ルータの基本機能を継承。NAT/IPマスカレード、ルーティング設定、DHCPサーバ、仮想サーバ、DMZ、パケットフィルタリング、NTP、ファームウェアアップデートなどの各ルータ機能に加え、オンデマンドによる自動発信、無通信監視、WANハートビート、アドレス解決などの各種機能を搭載している。

なお、オプションとしてルーフトップアンテナや小型アンテナなど、各種外付けアンテナに対応しているほか、外付けUSBメモリを用いることで、通信ログなどを5分ごとに取得することも可能となっている。

本体価格はオープンながら、同社想定価格としては5万円程度としており、1月下旬より出荷開始予定となっている。

月額料金の例