漫才日本一を決める「M-1グランプリ」が今年行われる第10回大会で終了することを12日、主催の吉本興業と朝日放送から発表された。

「M-1」終了を発表したよしもとクリエイティブエージェンシーの水谷暢宏社長(右)と朝日放送の田中俊行制作局長

"漫才を全国に広めたい"という目標を掲げ2001年よりスタートした「M-1」が10年の歴史に終止符を打つ。初回のエントリー数1603組から、毎年増え続けて今大会では過去最高となる4629組がエントリーするなど、コンテストとしての権威と知名度は上がり続け、年末の一大イベントとなっていたが、12日に行われた「M-1グランプリ2010」準決勝終了後に行われた記者会見で突如、今年限りで打ち切ると発表された。

よしもとクリエイティブエージェンシーの水谷暢宏社長は「これまでに多くのスターを生み出し、"漫才を全国に"という目標は達成できた。次のステップアップのため、発展的に解消する」と説明。今後については「新たなイベント的な展開を考えている」と話したが、詳細は未定となっている。

決勝進出を決めたコンビたちにとっても寝耳に水だったようで、9年連続決勝進出を果たした笑い飯の西田は「貴重なレギュラー番組が終わるのは悲しいです」と話し、ナイツの塙宣之は「『M-1』のおかげで成長できました。感謝しています」とそれぞれがコメントした。

ラストチャンピオンの座をかけて決勝に挑む8組のコンビたち

また、同大会を立ち上げ、大会の実行委員長を務めている島田紳助は「『漫才』というものが私を夢の世界に連れて行ってくれました。たった8年の漫才師生活でしたが、その漫才に対する感謝・恩返しの気持ちと、後輩たちが漫才で夢の世界に行ってくれたらと、10年前に『M-1』を作りました。たくさんの後輩が育ち、漫才師を目指す若者が増え、漫才のレベルも上がりました。私の中でほんお少し漫才に恩返しができた気持ちです。最後の『M-1』で、また一組のスターが生まれることを心より願っています」とメッセージを寄せている。