ルネサス エレクトロニクスは12月9日、FPD、サーバ、通信基地局、太陽光発電などの電源ユニット向けに低損失化、高効率化により省電力化を可能とした600V耐圧のNチャネル型パワーMOSFET「RJK60S5DPK」を開発、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。サンプル価格は、1個あたり500円で、2011年4月から量産を開始し、同年10月以降に月産50万個で量産する予定だ。

スーパージャンクション構造を採用した低オン抵抗パワーMOSFET「RJK60S5DPK」

同製品は、電源ユニットで交流(AC)を直流(DC)に変換する、1次側パワースイッチング回路向け製品で、高精度スーパージャンクション構造を採用したことでパワーMOSFETの特性指標である総合性能(FOM)を従来品と比較して約90%改善した高耐圧パワーMOSFETシリーズの第1弾製品となる。

同製品は、従来製品から約52%低減した150mΩ(ID=10A、VGSS=10V時の標準値)の低オン抵抗を実現しているほか、スイッチング速度に影響するパワーMOSFET駆動容量(Qgd)を従来品に比べ約80%低減し、6nC(ID=10A、VGSS=10V時の標準値)を実現している。そのため高速スイッチングによる電力変換効率の向上が可能となっている。

なお、高精度スーパージャンクション構造パワーMOSFETシリーズの採用により、オン抵抗を低減しているため、従来と同オン抵抗品の場合、チップ面積の低減が可能で、これにより従来TO-3Pを使用していた製品をTO-220FLで実現することが可能となるなど、今後の小型パッケージ品の展開も容易になるという。