駒の動きをタッチで再現──将棋専門誌『将棋世界』がiPad向け電子書籍に

伊藤篤史  [2010/12/08]

将棋ファンにはおなじみの専門誌『将棋世界』が電子書籍展開を開始する。発行元の日本将棋連盟は8日、東京・将棋会館で会見を開き、iPadアプリ版『将棋世界』を9日よりApp Storeで販売すると発表した。誌面で将棋図面が動くなど、電子書籍ならではの仕掛けが盛り込まれている。

iPadアプリとして配信が開始される『将棋世界』。一部広告を除き、原則全ページを電子化。さらに誌面で駒が動くなど電子書籍ならではの仕掛けを特徴としている

将棋世界は、毎日コミュニケーションズが制作・販売、日本将棋連盟を発行元とする将棋専門の老舗月刊誌。その電子書籍版がiPad専用アプリとして登場する。米長邦雄 日本将棋連盟会長が「電子書籍は将棋のためにある」と強調するように、単なる誌面のデジタル化とは異なる"電子版ならでは"の読書体験を提供している。

その特徴は、棋譜データを利用した手順の再現だ。記事の解説などに付随する将棋図面をタッチすると駒が動き、手順の進む・戻る・投了図の表示などの操作を自在にコントロール可能。手順の再現機能はタイトル戦、講座、詰将棋の解答で使われる。また、将棋アプリ「柿木将棋 for iPad」を導入していれば、将棋世界と連動して図面を柿木将棋で再現するといった使い方もできる。誌面は最大2倍ズームに対応しており、図面を拡大して手順を再生することも可能となっている。


最新号はアプリ上から購入できる。紙版の発売(毎月3日)から最速数日でダウンロード可能になるとのこと

将棋図面を「柿木将棋 for iPad」で再現する連携機能を搭載

iPad版将棋世界はアプリ内課金方式を採用。価格はリーダー本体が230円、アプリ上で購入する誌面データが1号600円(紙媒体は750円)。12月9日からリリース開始予定のiPadアプリ版将棋世界には「将棋世界12月号」のデータが含まれる(アプリ込みで230円)。2011年1月以降は、毎月3日の紙媒体発売後、アップルの承認が下り次第配信していく。データサイズは1号あたり約100MB、ダウンロードには無線LAN環境が必要。

iPad版は年配の将棋ファンにこそ意味あり

電子書籍版の制作を手がける毎日コミュニケーションズの滝口直樹 取締役 出版事業本部長は、今回の取り組みについて「過去2年にわたって電子雑誌や電子書籍を出してきたノウハウを『将棋世界』の電子書籍化に投入した。(過去に手がけたものと比較して)仕掛け、見せ方で群を抜いて優れている」と説明。同社では今後、iPad版将棋世界で使った技術を他の将棋関連書籍の電書化でも活用していく考えだ。

将棋ファンには年配層も多いが、米長氏はその点でもiPad版に期待を込める。電子書籍は今後、多くの人に読まれるようになると見られ、また文字サイズを大きくできるなどの読書スタイルは「むしろ年配の人に好まれるのではないか」との見解を示した。

写真左より、日本将棋連盟会長 米長邦雄氏、開発者の柿木義一氏、『将棋世界』編集長の田名後健吾氏、毎日コミュニケーションズ 取締役 出版事業本部長 滝口直樹氏

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