長岡技術科学大学 教授 三上善貴氏

アドビシステムズ、イースト、ジャストシステム、大日本スクリーン製造、マイクロソフト、モリサワの6社は12月6日、「IVS(Ideographic Variation Sequence)」の普及促進、相互運用性向上を目的とした協議会「IVS技術促進協議会」を発足したと発表した。

IVSは、「外字に依らない特定の文字で使用する字体を選択可能にする」技術。例えば、「渡辺」の"辺"という文字については、"邉"や"邊"など、俗字や異字体が60種類以上存在しており、その違いをPCやモバイル、印刷物などの異なる環境において同じコードで表現できるようにするための技術として期待されている。

IVSは、Unicodeが定める字形選択子(Variation Sequence)という仕組みを基に開発されている。Unicodeの各文字の後に字形選択子を付け加えるだけで、各文字が持ちうるバリエーションを指定することが可能になるという。

マイクロソフト 業務執行役員 最高技術責任者 加治佐俊一氏

IVS技術促進協議会は、この技術を普及させることを目的として発足しており、技術セミナーや開発支援などを行っていくほか、アプリケーション、フォント、OSに対するIVS対応の促進や、相互運用性/相互接続性の向上のための情報交換や実証実験も進めていく予定。

会長には、長岡技術科学大学 教授であり、ISO/IEC JTC1/SC2 国際議長を務める三上善貴氏が就任。副会長を国際大学GLOCOM フェローの村田真氏と、マイクロソフト 業務執行役員 最高技術責任者の加治佐俊一氏が務める。現在の参加企業は発起人に名を連ねる6社だが、今後は広く参加企業を募り、20~30社まで拡大していく考え。