エルピーダメモリは、11月25日に開催した取締役会において、台湾証券取引所に対し同社の普通株式を原株とする台湾預託証券(TDR)の上場申請を行うこと、および関連諸機関からの承認が得られることとその他法令に基づき必要な手続きが完了していることを条件として、上場に伴うTDRの発行および募集、ならびに募集するTDRが表章する同社の普通株式の発行を行うことを決議したことを発表した。

同社は、2009年6月に経済産業省に提出し認定された「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」の事業再構築計画(2010年3月に台湾DRAMメーカーとの連携強化の方法に関し一部計画変更)に基づき、台湾DRAMメーカーとの新たな提携を推進し、生産能力の確保とリスク分散の体制構築を進めてきた。

具体的には、同社とPowerchip Technologyの合弁会社であるRexchip ElectronicsにおけるR&Dセンターの設立および同センターにおける次世代の4F2メモリセルの共同開発、また、Winbond ElectronicsおよびProMOS Technologiesとの提携、TSV技術に関する共同開発およびビジネス協力についてPowertech TechnologyおよびUnited Microelectronics Corporation(UMC)との3社合意、などを行ってきた。

このような状況においてTDR募集を行うことで、事業上の顧客のみならず一般投資家をも含めた台湾における同社のプレゼンスの向上が期待され、台湾DRAMメーカーとのさらなる連携の強化も視野に入れた事業機会の拡大や新たな投資家層の獲得、資金調達手段の多様化に繋がるものと考えていると、今回の上場について同社では説明している。

また、調達した資金は次世代DRAMプロセスの研究開発へ充当することを予定しており、これによる生産コストの低減、技術優位性の強化を図ることで、長期的な競争力の向上を図っていくとしている。

なお、募集内容および発行株式の概要は、同社普通株式9,000,000~10,000,000株の予定で、募集TDR数は180,000,000~200,000,000を予定。投資家は同募集株式に代えてTDRの交付を受け、1TDRは普通株式0.05株を表章するものとなる。

また、募集株式の払い込みおよび金額については、未定としつつ、募集株式の払込金額は、日本証券業協会の定める有価証券の引受けなどに関する規則第25条に規定される方式と同様のブックビルディング方式により、決定する予定としている。