ルネサス エレクトロニクスは11月24日、デジタルカーオーディオやデジタルオーディオなど車載・民生機器向けに、USBホストコントローラを内蔵したオーディオデコーダLSI「μPD63530」「μPD63910」「μPD63911」3製品を開発、2010年12月よりサンプル出荷を開始することを発表した。サンプル価格はμPD63530が500円、μPD63910とμPD63911が750円となっており、量産は2011年8月から開始し、2012年には3製品合計で月産30万個を計画している。

「μPD63910」(左)と「μPD63530」(右)

μPD63530は、2007年に市場投入した従来品「μPD63901」をベースに端子数や配置を見直すことで、従来品に比べてパッケージサイズを88%削減。これにより、7mm×7mmの48ピンLQFPパッケージを採用することが可能となり、機器の小型化を可能としている。

また、μPD63530とμPD63910は、ソフトウェアの更新が必要な部分と不要な部分に切り分け、更新が必要な部分だけを外部のフラッシュメモリに格納し、ダウンロードする機能を搭載。フラッシュメモリを外部に接続することで、ソフトウェアの更新が容易になっている。

さらに3製品ともに、USB2.0(フルスピード12Mbps)対応のUSBホストコントローラや圧縮された音楽データをデコードするための機能を内蔵。これにより、1チップでUSBメモリやSDカード、デジタルミュージックプレーヤからの音楽再生を実現できるほか、従来はカスタマが開発していたUSB制御やMP3、WMA、AACデコード機能、WAVファイル再生機能、ファイルシステム管理、またこれらシステム制御に必要なソフトウェアを標準搭載している。これにより、カスタマが開発するソフトウェアはマイコンからの簡単なコマンド制御を伴うアプリケーションソフトのみとなるため、開発期間を短縮することが可能となる。