シャープは、デジタルフルカラー複合機の新機種として、10.1インチの大型カラー液晶を搭載した複写速度が毎分26枚の「MX-2610FN」、毎分31枚の「MX-3110FN」、毎分36枚の「MX-3610FN」の3機種を発表した。12月16日より発売され、価格はMX-2610FNが1,349,250円、MX-3110FNが1,485,750円、MX-3610FNが1,848,000円。

「MX-3110FN」

新製品は、今回スタートキーやテンキーをカラー液晶の中に組み込み、操作上必要な場合だけ表示するように変更された。液晶では、印刷内容の確認やスキャナーで読み込んだ原稿を確認表示できるほか、読み込んだ原稿の回転や順番の入れ替えも可能となっている。また、液晶から直接インターネットにアクセスし、液晶に表示したWebページをそのまま印刷できる。

10.1インチ大型カラー液晶。右はプレビュー画面

また、来春には、「Data Cabinet Online」というクラウドサービスを開始し、複合機でスキャンしたデータをそのままアップロードし、それらのデータはシャープの携帯端末「GALAPAGOS」や今年の8月に発表した60V型タッチパネル一体型インフォメーションディスプレイ「PN-L601B」にも表示させることができる。そのほか、コンビニに設置された複合機から入出力ができるサービスも開始する予定だという。なお、「Data Cabinet Online」の具体的な内容は現在のところ未定。

来春には「Data Cabinet Online」というクラウドサービスを開始。コンビニでの出力サービスも始めるという

「PN-L601B」(左)と「GALAPAGOS」(右)。PN-L601Bでは、手書きで入力したデータもクラウド上に取り込めるという

シャープ 執行役員 ビジネスソリューション事業統轄 兼 ドキュメントソリューション事業本部長 中山藤一氏

シャープ 執行役員 ビジネスソリューション事業統轄 兼 ドキュメントソリューション事業本部長の中山藤一氏は、「今後は、オフィスのキャビネットの文書もクラウド上で1つに融合されていく。そして、アクセスする機器のクラウドとの親和性を高めることによって、ワークスタイルを変革できる」と述べた。

すでに他社も複合機とクラウドと連携するサービスを発表しているが、中山氏はこれらに対するシャープの優位性として、コンビニにおける複合機のシェアがNo1(コンビニ全体で40,000台のうち、シャープが17,000台のシェア)であり、これらを活用したサービスが提供できる点、携帯電話やGALAPAGOS、PN-L601Bなど、クラウドにアクセスする機器を自社で持っており、これらにプラスアルファの機能として提供できること、そして2005年から「Sharp OSA」というシャープの複合機と連携するためのオープンなプラットフォームを提供しており、全米では200社のパートナーがこのプラットフォームに対応したサービスを提供、これらを活用できる点の3点を挙げた。

新機種では、新開発の樹脂フレームや部品点数の削減により本体を小型軽量化、従来機に比べ設置面積で約11%、質量で約23%削減しているほか、FAX待機時のほかネットワーク待機時の消費電力も1Wに抑えることで、消費電力量を従来機比で約67%低減している。

TEC値やウォームアップタイムは従来機の3分の1になったという

以下のコピー仕様は共通で、解像度は、読み取りのモノクロが600×600dpi/600×400dpi/600×300dpi、読み取りのカラーが600×600dpi、書き込みが600×600dpi、9,600dpi相当×600dpi。最大複写サイズはA3、給紙容量は650枚(最大6,300枚)。外形寸法/重量は、MX-2610FN/MX-3110FNがW583×D658×H834mm/約76kg、MX-3610FNがW608×D680×H834mm/約78kg。インタフェースは、10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T、USB 2.0。