協力型ボードゲームの中でも傑作の呼び声高い『アーカムホラー』待望の日本語化

アークライトは、クトゥルフ神話を題材にしたボードゲーム『アーカムホラー 完全日本語版』を発売した。価格は6,720円。

クトゥルフ神話とは20世紀初頭に活躍したアメリカのホラー作家、H・P・ラヴクラフトが描いた小説の世界観をもとに、彼の作家仲間たちが作り上げた架空の神話体系だ。彼らが綴った人知や時空を超越した宇宙的恐怖の物語は、後のクリエイターたちに大いに影響を与えており、現在でも小説にとどまらず、映画やアニメ、ゲームに至るまで世界観を共有した数多くの作品が生み出されている。

『アーカムホラー』はそのクトゥルフ神話の世界観を忠実に再現したボードゲームだ。舞台となるのはラヴクラフトの作品に登場する架空の街アーカム。プレイヤーはそこで私立探偵や考古学者、医師など、それぞれ能力が異なる探索者となり、街に起こる怪異を撃退しつつ、クトゥルフをはじめとする邪神の覚醒を止めるのが最終目的となる。つまり、システムはお互いが競い合うのではなく、プレイヤーたちが同じ目的を共有するという協力型。このためボードゲームであるにもかかわらず、テーブルトークRPG的な物語性が楽しめる。そこが本作品の一番の魅力といえよう。

ゲームに登場する邪神のなかでも、かなり手強い存在であるクトゥルフ

探索者シートの一例。探索者にはあのハーベイ・ウォルターズも含まれている

プレイ時間はいわゆる"重い"タイプで難易度も高いが、クトゥルフ神話を知る者なら小説世界に迷い込んだかのような展開に思わずニヤリとなること間違いなし。怪奇幻想マニアなら確実に満足できるハズだ。