矢野経済研究所11月18日、電子書籍市場に関する調査結果を発表した。これによると、2009年度の国内電子書籍市場規模は、事業者売上高ベースで610億円、前年度比119.6%増の成長を果たした。

同調査は、携帯電話向け、PC/PDA向け、電子書籍リーダー向けに配信される電子書籍のコンテンツの事業者売上高で算出したもの。

同社は、今年5月に国内発売がスタートしたiPadが電子書籍市場の急成長の契機とされるが、本格的な電子書籍リーダーが市場に出回る数年前から出版社は旧作の漫画をPCや携帯電話向けに配信しており、日本はすでに「電子書籍大国」だとしている。

ただし、現状は市場のほとんどを携帯電話(スマートフォン含む)向けコンテンツが占めており、今後は電子書籍リーダー向けコンテンツが充実し、新たな市場が形成されることが期待されるという。

2010年については、電子書籍端末の多様化・高機能化、書籍・雑誌の電子化の進展により、同市場にとって「新たなるスタート、大幅な市場拡大に向かう年」になったと分析されている。

電子書籍市場規模推移 資料:矢野経済研究所