NVIDIAは11月15日(米国時間)、同社のGPU「Tesla」によるスーパーコンピューティング・クラスのパフォーマンスをAmazonのElastic Compute Cloud(EC2)経由でエンタープライズおよびスタートアップ各社に提供することを発表した。

Amazonが提供する同サービス「Cluster GPU Instances」は、従来の選択肢に加え、Amazon Webサービス(AWS)クラウドにおいてハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)をオンデマンドで提供しようという試みとなる。

スパコンは、製品の設計からシミュレーションによる試験、製造に至るまで、あらゆる段階で用いられるようになってきている。しかし、より高い性能を実現するためには多大な投資費用がかかるため、政府関連機関や大学の研究機関、あるいは、大企業による利用が中心となっていた。同サービスを活用することで、多大なコストが不要となり、企業規模にかかわらず、スパコンの性能を使えるようになる。

NVIDIAはGPUコンピューティング向けに並列アーキテクチャ「CUDA」の提供を行っているが、同サービスでは、mentalimagesの「RealityServer」やMathworksの「MATLAB」などの利用が可能となっている。

なお、NVIDIAは2010年12月1日に東京・台場のホテル日航東京において、「GPUコンピューティング 2010 Winter」を開催する予定。参加費用は無料だが、同社のWebサイトより事前に登録する必要がある。内容としては、同社が9月に米国サンノゼで行ったGPU Technology Conference 2010 (GTC2010)の内容ならびに、スーパーコンピュータ関連の国際学会「SC10」の成果を踏まえた各種GPUコンピューティングの成果が報告される予定となっている。