Texas Instruments(TI)は、組込向け高性能プロセッシング分野の革新への取組みの一環として、「TMS320C66x」世代のマルチコアDSPおよび、スケーラビリティを提供する「C66x」デバイス4製品(「TMS320C6672」(2コア)、「TMS320C6674」(4コア)および「TMS320C6678」(8コア)の3製品と4コア構成の通信向けSoC「TMS320C6670」)を発表した。

4つのマルチコアDSP製品は、複数の1.25GHz DSPコアで構成され、1サイクルに32個の固定小数点積和演算、または16個の浮動小数点演算処理が可能であり、両演算性能を組み合わせることで320GMACSおよび160GFLOPSの性能を1チップに統合した、10GHzの性能を有するDSP製品となっている。

これにより、インフラストラクチャ開発メーカーは、公共向けの保安および防衛、医療用およびハイエンドのイメージング、テストおよびオートメーション、高性能コンピューティングおよびコア・ネットワーキングをはじめとしたミッション・クリティカル市場において、高い統合性、ソフトウェアのアップグレード性、高い電力効率およびコスト効率を備えたプラットフォームを容易に構築することが可能となる。

また、同世代のDSPデバイスは、同社の「KeyStone」マルチコア・アーキテクチャで構成されているため、チップ内の各データフローのスループットを最高にすることが可能となっているほか、ボトルネックの可能性も排除、これにより開発各社は各DSPコアの膨大な処理能力をフル活用することが可能となると同社では説明している。

なお、これらの製品の価格は、一番安価な製品で1000個受注時で99ドル(参考価格)としており、2011年第1四半期より供給を開始する予定としている。また、マルチDSPコアデバイスの容易な開発および評価作業に向けたEVM(評価モジュール)も提供される予定で、TMS320C6670のEVM「TMDXEVM6670L」およびTMS320C6678のEVM「TMDXEVM6678L」はそれぞれ399ドル(参考価格)となっており、こちらも2011年第1四半期からの提供開始予定となっている。