ルネサス エレクトロニクスは11月8日、ソフトウェア開発メーカーの独SYSGOと、リアルタイム制御に適したCPU仮想化技術に対応する基本ソフトウェアの共同開発に合意したことを発表した。

同合意により、ルネサスは、多様な制御処理をリアルタイムで高速に実行する仮想化ソフトウェアの効率的な動作およびソフトウェア開発環境のユーザビリティ向上に必要な付加機能の開発を行い、V850をCPUとするマイコンへ導入する。またSYSGOは、複数のOSを同時に同一のCPU上で動作させることができる同社製ハイブリッドOS「PikeOS」をV850の仮想化へ対応させる移植を行う。

また、SYSGOの日本代理店であるフォー・リンク・システムズが実際に自動車などのアプリケーションでPikeOSの評価を行い、PikeOSおよびV850の仕様最適化に向けた評価結果のフィードバックを行う予定。

開発される基本ソフトウェアでは、PikeOSで実績のある米国の航空用ソフトウェア開発における安全規格「DO-178B」や欧州における鉄道システム(車両)に関する規格「EN50128」準拠などの機能安全に関する規格はもちろんのこと、将来的にはISO26262機能安全規格やMILS(Multiple Independent Levels of Security )によるEAL(Evaluation Assurance Level)対応など、セキュリティへの取り組みも行っていく計画としている。

なお、共同開発の成果となる基本ソフトウェアは、PikeOSの展開として、アメリカ・EU圏ではSYSGOから、アジア圏・日本ではフォー・リンクから販売される予定となっている。