JR西日本とJR九州は20日、山陽新幹線と九州新幹線を直通する新幹線列車に最速タイプの「みずほ」を走らせると発表した。朝に2往復、夕方に2往復を運行し、それ以外の時間帯は1時間に1本あたりの「さくら」を走らせるという。

「みずほ」「さくら」に使用するN700系R編成

「みずほ」は新大阪 - 鹿児島中央間の運行で、途中停車駅は新神戸、岡山、広島、小倉、博多、熊本。最速列車の所要時間は新大阪 - 博多間が2時間23分で「のぞみ」より若干速い。博多 - 鹿児島中央間は1時間20分、新大阪 - 熊本間は2時間59分、新大阪 - 鹿児島中央間は3時間45分。

「みずほ」の設定により、九州新幹線内の速達タイプの列車は「さくら」と「みずほ」の2本体制となる。なお「さくら」は九州新幹線内のみの運行も行われるという。また、山陽新幹線の速達列車「のぞみ」「ひかりレールスター」と九州新幹線の「さくら」「つばめ」は、博多駅で同一ホームの乗り換えができるよう配慮するとのこと。

「みずほ」の列車名を選定した理由は「瑞穂の国」が「実り豊かな国という日本の美称」であることから、利用者に豊かな実りを提供していくという気持ちを込めたという。なお、「みずほ」の相性は公募されなかったが、JR九州は「さくら」の名称を公募した際に、「みずほ」を応募した人から抽選で1名に特賞20万円を贈呈するとのこと。

「みずほ」の列車名は1961(昭和36)年に東京と熊本を結ぶ列車として誕生した。その後、1994(平成6)年に廃止されるまで、東京と九州を結ぶブルートレイン群のひとつとして活躍した。ブルートレイン時代の「さくら」は東京と長崎・佐世保間を結び、同時期の「みずほ」は東京と熊本・長崎間を結んだ。つまり、かつて東京と長崎を結んだ姉妹列車が、今度は山陽・九州新幹線で再び揃うことになる。