スウェーデンの王立科学アカデミーは、2010年のノーベル化学賞を北海道大学名誉教授である鈴木章氏、米Purdue大学教授の根岸英一氏、および米Delaware大学のRichard F. Heck博士ら3名に授与することを発表した。

鈴木、根岸両名の受賞により、日本人のノーベル賞受賞者は米国籍の南部陽一郎氏を含めて合計18名となり、ノーベル化学賞としては、2008年の下村脩氏に続くもので7人目となる。

鈴木章 北大名誉教授(出所:北海道大学Webサイト)

今回の受賞理由は、鈴木氏は1979年に報告したパラジウム触媒を用い、有機ホウ素化合物と有機ハロゲン化合物を、クロスカップリングさせる「Suzuki coupling反応」などと呼ばれる反応により、触媒化学や材料科学などの広い分野に大きな影響を及ぼしたことが評価されたもの。

一方の根岸氏は、1977年に報告がなされた有機亜鉛化合物と有機ハロゲン化物とをパラジウム触媒のもとに縮合させC-C結合生成物を得る「根岸カップリング」と称される反応を発見したことによるものとなっている。

なお、ノーベル賞の授賞式は12月10日にスウェーデンのストックホルムで開催され、賞金として1000万スウェーデンクローナ贈られる予定。