ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は4日、薄型テレビの最新注目機能であるLEDバックライト搭載機、および3D対応機の家電量販店における販売動向を発表した。

4月からの省エネ基準厳格化に伴い、3月には数量前年比159.3%増にまで急拡大を遂げた薄型テレビ市場は、4月以降も数量ベースでは引き続き好調に推移していたものの、平均価格が20%以上も下落したことで、金額ベースでは5月・6月共に前年比を下回っている。

7月以降は復調しており、9月には数量前年比69.7%増、金額前年比19.7%増となった。同社では好調の理由を、アナログ放送完全停波まで1年を切り、地デジ移行を促す報道が加速していること、猛暑によってエアコンを買い求める来店者数の増加で、薄型テレビの販売機会も増えたことなどを挙げている。

LEDバックライト機能は、2010年に各メーカーが搭載機を相次いで投入したことで、1月は2.4%だった数量構成比が、9月には42.7%にまで増加。これは、2007年に普及が加速した「倍速駆動」とほぼ同じ普及速度となっており、今後も倍速駆動と同様の普及が進めば、2011年の年初にはLEDバックライト搭載機が市場の中心になると見込まれる。

ソニーの3D対応薄型テレビ、ブラビア「HX80R」シリーズの「KDL-55HX80R」

3D対応機は、4月にパナソニックが国内で初めて発売して以降、ソニー、シャープ、東芝が相次いで製品を投入。しかし、40インチ以上の製品にのみ展開していることや、同スペックの非対応機よりも10万円以上高価であることなどから、薄型テレビ全体の数量構成比は9月の時点で全体の1%、40インチ以上に限定しても3.6%にとどまっている。専用トランスミッターを別途購入することで3D映像が視聴可能になる3D Ready機と合わせても、40インチ以上の数量構成比は7.0%で、普及が進んだとは言い難い。

3D対応機器はパソコン、カムコーダー、デジカメ等にも広がりを見せており、CS放送で3D対応番組が放送されたり、3D対応のブルーレイディスクが市場投入されるなど、コンテンツの拡充も進みつつある。このことから同社では、今後の3D映像の進展と3D対応薄型テレビの成長に期待がかかる、とコメントしている。