アジア時間概況
前日の欧米株式下落を嫌気し、アジア市場も総じてリスク回避の展開へ。欧州債務懸念により景気敏感セクターの銀行株で売り圧力が強まった。
日本225種は、外部環境の悪化に加え、8月の鉱工業生産が市場予想を下回ったこと、そして円高基調が強まっていることも材料視され、9500の節目を完全に下抜けた水準での値動きが継続している。
アジア株の軟調な地合いを受け、為替市場でもリスク回避が強まり、対ユーロ、対豪ドルでドルを買い戻す動きとなっている。これを受け、クロス円も終始上値の重い展開へ。ユーロ円は114.00、豪ドル円は81.00をそれぞれ下抜けた。
一方、ドル円も介入警戒感が強まる中、83円ミドルトライに成功。9月15日以来の83.00ブレイクのムードが強まったまま、欧州タイムを迎えようとしている。
本日の主要経済指標
・16:55 独・9月失業者数
・16:55 独・9月失業率
・18:00 ユーロ圏・9月消費者物価指数速報
・18:30 南ア・8月生産者物価指数
・21:00 南ア・8月貿易収支
・21:30 カナダ・7月GDP
・21:30 米国・2QGDP(確報値/前期比年率)
・21:30 米国・2Q個人消費-(確報値)
・21:30 米国・2QGDP価格指数(確報値)
・21:30 米国・2QコアPCE(確報値)
・21:30 米国・新規失業保険申請件数
・22:45 米国・9月シカゴ購買部協会景気指数
要人発言
・16:00 英国・タッカーBOE副総裁の発言
・18:05 英国・フィッシャーMPC委員の発言
・23:00 米国・バーナンキFRB議長、米上院銀行委員会で金融規制改革について証言
・25:50 カナダ・カーニーBOC総裁の発言
・27:30 米国・バーナンキFRB議長、討論会に参加(ワシントン)
欧米時間
アジア市場がリスク回避一色になったことを受け、欧州タイム序盤もその流れを引き継ぐ可能性がある。このトレンドが加速するか、反転へ向かうかの鍵を握るのは、やはり今日の欧米経済指標だろう。
まず16:55にドイツの雇用関連指標が発表される。内容如何で上昇スピードの速さが懸念されているユーロドルで、一度利益確定売りへ傾くことも考えられる。そのような展開となった場合、1.35の心理的ラインが、サポートラインとして意識されるか注目したい。
一方、株式市場では引き続きソブリンリスクによる金融セクターの軟調な地合いと商品価格上昇による資源セクター底堅い展開が交錯するか。心理的節目1300を上にブレイクした後も史上最高値を更新し続ける金価格に連動し、リスク回避の中でも大手鉱山開発企業で根強い買い戻しが入るかがポイントになりそうだ。
NYタイムに入ると、21:30より米経済指標が発表される。まず注目を集めるのが、第2四半期の個人消費だろう。
28日に発表された9月の消費者信頼感は予想外の低下を示した。市場では、根強い先行き不透明感の中でも株価が上昇し続けた根拠を探している。そのような状況で、あらためて個人消費が減退しているとの内容が確認された場合、米SPX500を中心に利益確定売りが強まりやすいか。
また、新規失業保険申請件数と22:45に発表される9月のシカゴ購買部協会景気指数も市場の関心を集めるだろう。特に後者は、構成指数の雇用Indexにも注目したい。FRBが追加の金融緩和に踏み切る直接の理由は、厳しい雇用情勢へ対処するためであり、内容如何で株式、為替共に大きく振れる可能性があるからだ。