MIIPS Technologiesは、シンセサイザブルでマルチプロセッシングを実現するプロセッサ・コアIP「MIPS32 1074Kコヒーレント・プロセッシング・システム(CPS)」を発表した。

同IPは、市販の標準セルライブラリ、メモリ、EDAデザインフローを使用し、40nm Gプロセスで、実周波数1.5GHzを達成しており、一般的なデジタルTV、Blu-rayプレーヤ、STBなど次世代インターネット接続型マルチメディア製品のほか、ホーム/ワイヤレス・ネットワーク製品やAndroidを用いたタブレット・コンピュータなどにも使用することが可能だ。

すでに複数の量産実績を有するスーパースカラ74Kマイクロアーキテクチャで構築されており、1074K CPSとして新たに追加された新機能を用いることで、Webサイトの閲覧やJavaScriptエンジンをはじめとするさまざまなC++アプリケーションに対する性能が強化されている。これにより、1074Kプラットフォームを1.5GHzで動作させた場合、1コアでJavaScript向けのSunspiderベンチマークを2秒以内で完了させることができるようになるという。

最大4つのスーパースカラ・アウトオブオーダ(OoO) 74Kコアとクロック/パワー・ゲーティング管理用システム・コンポネンツ、グローバル割り込み制御、プログラム/データ・トレース機能、オプションのL2キャッシュ・コントローラなどで構成され、コヒーレント・マルチコア・ソリューションを実現することが可能。単一のハイパー・スレッド処理動作のIntel Atomを用いたSoC「CE4100」と比較した場合、3つのコアを実装した1074K CPSは同製品よりもサイズが小さく、また、CoreMarkのベンチマークでは約2.5倍の性能を実現することが可能だ。

なお、1074KコアはMIPS32準拠のため、設計者は従来のソフトウェアやツールを利用することが可能であるほか、同社独自の開発ツールやプローブ、対称型マルチプロセッシング(SMP)版Linuxをはじめ、CodeSourceryやCriticalBlueなどのツールもサポートしている。

加えて、1074K CPS向けシミュレーションモデルも用意。これにより、SoCの開発者は、SystemCや協調シミュレーション環境での検証で、Carbon Design Systemsによって構築された100%サイクル精度のモデルを利用することができるようになるほか、ソフトウェア開発者は、Imperasと同社が共同開発した高速命令セット・シミュレータを利用し、ソフトウェア開発や仮想プラットフォームで使用することが可能となる。

なお、1074K CPSは、2010年10月に一般供給が予定されており、整数コアを使用してコヒーレント・プロセッシング・システムを実現するMIPS32 1074Kc CPSと、各コアに浮動小数点ユニット(FPU)を搭載するMIPS32 1074Kf CPSの2つのバージョンが用意される予定となっている。