アジア時間

米株式の底堅い展開を受け、アジア株式市場は総じて上昇。日本225種は、日銀短観の先行き悪化を受け、米国同様に追加の金融緩和観測が台頭しはじめたことを背景に、9500をサポートに底堅い展開が続いている。しかし、ドル円の戻りが弱いことから、輸出関連で上値が抑えられたこともあり、上昇幅も限定的。

注目の為替市場は、昨日の米経済指標の弱さや米連邦準備理事会(FRB)が景気回復を後押しするために、追加の金融緩和策を取るとの観測から、ドル安トレンドが継続した。ドル円で83ミドル、ユーロドルで1.36のラインをそれぞれトライする展開となっている。ただ、83円割れでは、再び介入が実施される可能性も指摘されており、欧米勢の動向を見極めたいという思惑から様子見ムードのまま欧州タイムを迎えようとしている。

本日の主要経済指標

・17:30 英国・8月消費者信用残高

・17:30 英国・8月住宅ローン承認件数

・18:00 ユーロ圏・9月業況判断指数

・18:00 ユーロ圏・9月消費者信頼感(確報値)

・18:00 ユーロ圏・9月経済信頼感

・18:00 ユーロ圏・9月鉱工業信頼感

・18:00 ユーロ圏・9月サービス業信頼感

・18:30 スイス・9月KOF先行指数

・18:30 南ア・8月消費者物価指数

・20:00 米国・MBA住宅ローン申請指数

・23:30 米国・週間原油在庫

要人発言

・23:00 ユーロ圏・ゴンザレス・パラモECB理事の発言

・23:15 米国・コチャラコタ:ミネアポリス連銀総裁、FOMCについて講演

・25:30 米国・プロッサー:フィラデルフィア連銀総裁、経済見通しについて講演

・26:15 米国・ローゼングレン:ボストン連銀総裁の講演

欧米時間

本日も欧米の経済指標を睨みながらの展開となりそうだが、米マクロ経済指標の低下にも関わらず欧米株式が意外なしぶとさを見せたことで、投資家のリスク許容度が拡大するかが焦点だろう。

注目は、やはり資源系の動向とソブリンリスクか。情報提供サービス会社のメドレー・グローバル・アドバイザーズが、厳しい雇用情勢を反映し早ければ11月にも追加の量的緩和政策が実施されるとの見解を示したように、市場では将来の米金融緩和を見越したインフレヘッジの取引が活発化している。

為替市場では、米債利回りの低下を反映したドル売りが継続し、対ユーロで1.35、対ドルで84.00をブレイクする展開となっている。破られるまでは強固なテクニカルポイントとなっていただけに、一時的にドルショートカバーとなっても、この流れはそう簡単に変わらないだろう。それを裏付けるかのように、金価格は1300ドルの節目を突破した後も上昇基調を維持している。この状況が継続すれば、銀や銅相場、そして鉱山株へと波及する可能性が高まる。そうなれば、資源系セクター全般へとその影響が波及し、欧米株式の底堅さを演出するシナリオが浮上しよう。

一方、ユーロ圏のソブリンリスク懸念を背景に、周辺国債と独債券の利回り格差がユーロ導入以来の水準に拡大していることで、ユーロと銀行株に売り圧力がどの程度強まるか、この点にも注意したい。特にユーロの上昇は必ずしもファンダメンタルズを反映しているとは言い切れないため、逃げ足の速い投機資金が利益確定売りに走る可能性もある。まずは1.36の攻防に注目。このラインを突破した場合は、4月上旬に上値を抑えられ続けた1.3670-90レベルが、次のレジスタンスポイントとして浮上するのではないか。

ドル円 日足

米国SPX500種株価指数 日足