Xmarks - Bookmark-Powered Web Discovery

Xmarksの設立者であり、またCTOでもあるTodd Agulnick氏がXmarks Blog » End of the Road for Xmarksにおいて、Xmarksのサービスを向こう90日ほどで終了させることを発表した。2010年いっぱいでサービス終了になる見通し。200万ユーザを抱え500万のデスクトップを同期、そして発表日ですら3,000弱の新規アカウント登録があったというが、もうビジネスとしては成り立たないという。Foxmarks設立当時の話から会社を終えるまでの軌跡も紹介されており、インターネットを活用したビジネスにおけるひとつのストーリーとしても興味深い。

Xmarksは複数のブラウザにおけるブックマークや履歴データ、パスワードなどを同期するサービス。2008年3月に改名する以前はFoxmarksと呼ばれ、名前のとおりFirefox専用のサービスだった。Foxmarksの起こりは2006年早期に遡る。説明によれば、当時Mozilla Foundationの責任職についていたMitch Kapor氏は、Mozillaで働いているにもかかわらずSafariを使っていたという。5つのPCでブックマークを同期するためのサービスが、当時のFirefoxにはなかったためだと説明がある。

Mitch Kapor氏に協力する形でブックマークを同期するプロトタイプを構築。トントン拍子に話は進んで、2006年10月にはブックマーク同期サービスを提供する企業Foxmarksを設立。2008年にはIEやSafariなどほかのブラウザにも対応し、名称をXmarksへ変更。新しいサービスの投入も実施し注目を集めた。

しかし、新規サービスは最初は珍しらさもあってアクセスを集めたものの、一週間後には目もあてられないほどに利用率が低下。その後も蓄積されたデータをどうやって活かしてユーザにサービスを提供し、会社としても利益をあげていくかを模索したものの成功には至らず。2010年4月には買収先の模索を始めるが失敗。特定のサービスを有料で提供するビジネスモデルも検討するものの、すでにChromeとFirefoxがデフォルトで同期サービスを組み込んでいる現状、その方法は収益を得られる見込みが薄いとして選択せず。無償の同期サービスとしてサービスを継続した場合、必要経費や給与、ホスティング費用を支払うことができないとして、サービスの終了を選択したという。

ブックマークの同期サービスとしてはGoogle Browser Syncが代表的な存在だったが、Googleはサービスを停止。次にMozillaの提供するMozilla Weaveが注目を集めるが、当時Mozilla Weaveはサービスが重く、同期に失敗するケースが多かった。確実に動作し、機能強化を順調に進めたFoxmarksは多くのFirefoxユーザの支持を集めることになる。しかしGoogleもMozillaも自社ブラウザに同期機能を取り込み、Xmarksは複数ブラウザに対応という点以外での特徴がなくなりつつあった。