【今日のCFD】米国SPX500種株価指数

米景気の現状を探る上でベンチマークとなっている米国SPX500種株価指数が、市場の関心を集めている。FRBの金融緩和により企業の借入コストが縮小するとの見通しに加え、テクニカル面で1130の節目を完全に上抜けた影響も大きい。6月下旬より続いていたレンジを突破したことから、5月13日高値1176レベルを目指すとの声も既に市場で聞かれるようになってきた。

ただ、市場では今回の上昇に対して警戒感も根強い。今日より本格化する経済指標で、市場はSPX500の上昇が根拠のあるものかどうかを探ってくるだろう。

本日はチェーンストア売上高、大規模小売店売上高、7月のS&P / ケース・シラー住宅価格指数に加え、米消費動向を見極める上で重要な9月の消費者信頼感指数が発表される。ドル安政策により恩恵を受け易い製造業の動向を見極めるため、9月のリッチモンド連銀製造業指数にも注目が集まるだろう。

警戒感からこれら指標発表前までは上値の重い状況が続く可能性が高いが、焦点は、市場予想を下回った場合だろう。どこで下支えされるかで、SPXの強さが測れるからだ。テクニカルでこの点について探っていきたい。

まず日足をベースにして、大きな流れをジグザグ(変動率:5%)やエンベロープで探ると、上昇トレンドが継続していることがわかる。フィボナッチ61.80%戻しを完全にブレイクすれば、5月13日高値1176レベルまで目立ったレジスタンスポイントは見当たらない。

しかし、直近の動向を1時間足で見ると、超短期では下落基調のトレンドチャンネルが出現しており、一度調整が入る兆しも見える。目先の下値焦点は、フィボナッチ38.20%戻しとピボットS1が交錯する1138―39レベルか。ここを下抜けた場合は、50.00%戻し1130とS2が重なる1134レベルが浮上する。ここまでの反落なら調整の範囲内と考えられ、1176レベルを目指すトレンドに変化はないと考えられる。

しかし、このレベルをもブレイクした場合、1150突破が『だまし』の可能性が高くなる。このため、2週間前に窓を開けてオープンしている1115を下限、1150を上限にしたボックスレンジへと移行するシナリオも浮上するため、下落基調が強まった場合は50.00%戻しでの攻防に注目したいところだろう。

米国SPX500種株価指数 日足

米国SPX500種株価指数 1時間足