容赦ない酷暑となった8月。アイスや冷たい飲料は売れても、さすがに秋物衣料などは不振だったようだ。スーパー、百貨店、コンビニエンスストアの8月の売上高が出そろった。コンビニが2カ月連続で前年を上回ったが、秋物衣料の不調などでスーパーや百貨店の売上高は伸び悩んだ。特に百貨店は30カ月連続の前年割れ。減少幅も再び拡大しており、厳しい状況だ。

日本フランチャイズチェーン協会が発表した主要コンビニエンスストア10社の8月の売上高(既存店ベース)は、前年同月比1.0%増の6,768億円。14カ月ぶりにプラスに転じた7月に続き2カ月連続の上昇で、上昇幅は7月の0.5%から拡大している。来店客数(既存店ベース)は11億9,800万人で、前年同月比2.9%のプラス(3カ月連続の増加)となったが、平均客単価は565.0円で、21カ月連続のマイナスとなっている。商品別(全店ベース)では、菓子やソフトドリンクなどの「加工食品」が7.2%増。弁当やパンなどの「日配食品」が1.7%増、「非食品」は0.5%減、「サービス」は7.5%増だった。「天候の影響を受け、アイスクリームや飲料などの夏物商材が全体をけん引した」としている。

日本チェーンストア協会が発表した8月の売上高(店舗調整後)は前年同月比1.1%減の1兆404億円。盛夏商品の売り上げが伸びたものの、消費者の節約志向は強く、21カ月連続の前年割れとなった。「食品」では飲料、アイスクリーム、麺類、ビール類、スイカが好調だったものの、暑さの影響で揚げ物や練り製品、パン類などは不調で、全体としては前年比0.8%の減少。「衣料品」は、機能性肌着や水着などが好調だったが、秋物商品の動きが鈍く0.6%減となっている。日中の暑い時間帯を避け、朝方や夕方に来店する客が多かった。

7月には、前年比での売上高マイナス幅が28カ月ぶりに1%台にまで縮小した百貨店。8月の全国百貨店売上高は、前年同月比3.2%減の4,346億円にとどまった。前年割れは30カ月連続。ファッションを中心に秋物商材の動きが鈍かった上、急激な円高、株安傾向が進む中、景気の先行き懸念や逆資産効果の影響で、宝飾品や輸入雑貨などの高額品が低調だったという。

ただ、急伸している外国人観光客の売上高(調査対象は42店舗 / 免税手続きベース)は円高の影響を受けながらも前年比16.5%増と、2桁の伸びを維持。国別では中国本土からがもっとも多く、あとは香港、台湾、韓国と続いた。人気商品は1位「婦人服飾雑貨」、2位「婦人服」、3位「化粧品」、4位「紳士服・雑貨」、5位「子供服・雑貨」。免税手続きにおける1人当たりの購買単価は6万2,258円だった。