宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月11日20時17分、JAXA種子島宇宙センターにて準天頂衛星初号機「みちびき」を搭載したH-IIA18号機を打ち上げを行った。みちびきは、打ち上げ約30分後に同ロケットより分離することに成功している。

準天頂衛星初号機「みちびき」の打ち上げの様子。打ち上げに用いられたロケットはH-IIA18号機(出所:JAXA)

H-IIA18号機のリフトオフ(提供:JAXA/三菱重工業)

準天頂衛星は、24個(6軌道×4衛星)のGPS(Global Positioning System:全地球測位)衛星で構成されるGPSシステムの補完と補強を主な役割としている。

例えば、都市部や山間地では、高いビルや山が障害となりGPS衛星からの電波が届かなかったり、反射したりすることによる誤差で正確な位置情報を得られないこともある。

準天頂衛星は、日本のほぼ真上(天頂)を初号機の「みちびき」をはじめとして複数の人工衛星で通過することで、常にどれか1機の衛星が日本上空に存在することで、GPSの電波が届かない場所や時間帯でも測位できる場所と時間を広げようというもの。

また、準天頂衛星からはGPSのサービスを向上させる補正信号が送信されるため、日本全国どこでも高い精度での測位ができることになる。

準天頂衛星1機が日本の真上に滞在できる時間は7~9時間程度。そのため位置精度の向上などは、複数の衛星を組み合わせて、24時間いつでも、少なくとも1機の衛星が日本の上空を通過しているようにする必要がある。