キヤノンは31日、チップサイズが202×205mmの大型CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーの開発に成功したと発表した。

今回発表されたのは、チップサイズが202x205mmと、直径12インチ(約300mm)ウエハーから製造できる最大級のCMOSセンサー。現在、同社が製品化している最大のCMOSセンサーで、「EOS-1Ds Mark III」、「EOS 5D Mark II」に搭載されている35mmフルサイズ・約2,110万画素センサーと比較すると約40倍の大きさになるという。

今回発表された超大型CMOSセンサー(左)と35mmフルサイズCMOSセンサーの比較。CMOSセンサーの大型化により、光の少ない暗い環境でも撮影が可能となる

新開発のCMOSセンサーでは、35mmフルサイズCMOSセンサーが必要とする光量の約1/100でも撮影ができるのが特長。月夜の半分程度の明るさという、0.3ルクスの照度で約60コマ/秒の動画撮影が可能だ。

これまで、センサーを大型化すると、データ信号を受信してから送信するまでの時間が長くかかってしまい、出力の高速化が難しいといった問題があった。新CMOSセンサーでは、この問題を回路設計に工夫を凝らすことにより解決。また、製造プロセスを徹底的にクリーン化することにより、画像の欠けやゴミなどを抑えたセンサーを実現した。

同社は、「今回開発に成功した超高感度CMOSセンサーの用途としては、星空や夜間の動物の動画撮影、夜間の監視カメラへの応用などが考えらる」としている。