アジア時間においては、日銀緊急会合の結果待ちだったが、発表された内容は市場の予想通りで、もう一段踏み込んだ内容を期待していた市場としては、円売りにはならず、円の買い戻し状態となった。

そして、午後に予定されていた白川日銀総裁の会見においては、今回の会談は3カ月ごとに行われている通常の意見交換の一環であり、新たな金融政策や為替についてのコメントもなかったことで、さらにクロス円を中心に円買いの展開となった。株式市場においても、それまでの上昇分をすべて吐き出す展開となり、アジア株式市場も軟調に推移した。

・18:00 (欧) 8月ユーロ圏景況感・業況感指数

・21:30 (米) 7月個人所得・消費支出

・26:30 (米) ブラード・セントルイス地区連銀総裁 会合で挨拶

今晩は、イギリス勢がバンクホリデーで休日のため、欧州時間の流動性はかなり低下している地合い。ただ、日銀に対する期待(期待をしていたのかどうかも疑問だが)~の円売りが転じて円買いになっており、以前のシナリオに戻った感がある。

先ほど発表されたユーロ圏景況感においては、総合的には良い内容だったものの、業況感指数が低下したことで、ユーロの重しとなりそうだ。その上、今週は米雇用統計を控えて米経済指標に対する警戒感があることから、今晩の米個人所得・消費支出の数値には気をつけたい。

企業マインドにおいては、収益は新興国を中心として利益をあげながらも、新規雇用は新興国を中心に行っており(もちろん、すべてではないが)、潤沢な資金はM&Aや自己資本の拡充、負債返済に充てられているのが現状。 その上、インテル社の見通しのように第3-4四半期に向けてのスタンスが慎重になっていることから、市場予想としては期待感がある数値となっているが(個人消費支出、前月比+0.3%)、はたしていかような内容になるのか。

もちろん、日本当局に対する警戒感がまだあるという意見も聞かれるが、欧米当局との共同歩調もない環境の上に、円買い需要が上値で控えている中では、逆にロングポジションにとっては絶好の売り場提供になってしまう可能性がある。IMM通貨ポジションをサプライズさせる円売り材料が出てくるかどうか。