人気RPG「FINAL FANTASY XIII」のピアノ・アレンジCDの発売記念イベントが28日、東京・新宿アイランドホールで開催され、作曲家の浜渦正志氏が登場した。会場に集まった200人のファンは、黒田亜樹氏のピアノ演奏とともに制作話などのトークも楽しんだ。

「FINAL FANTASY XIII」のピアノ・アレンジ曲を演奏する黒田亜樹氏。「FINAL FANTASY XIII ~誓い」「ライトニングのテーマ ─閃光」「ファングのテーマ」「ヴァニラのテーマ -優しい思い出- 帰郷」「生誕のレクイエム ~FINAL FANTASY XIIIプレリュード」の計5曲を披露した

イタリア・ミラノで録音されたCDアルバム『ピアノ・コレクションズ ファイナルファンタジーXIII』。スクウェア・エニックスの人気RPG「FINAL FANTASY XIII」の楽曲をピアノ用にアレンジしたものだ。FF XIIIの作曲家である浜渦正志氏が編曲を手がけ、ミラノを拠点に活躍する日本人ピアニスト・黒田亜樹氏が演奏している。黒田氏とFFの関係は、「FINAL FANTASY X」のピアノ・アレンジCD以来となる。

本イベントは、FF XIIIピアノ・アレンジ版CDとその楽譜集の発売を記念して開催されたものだ。抽選で約200名のファンが招待された。黒田氏も来日し、「FINAL FANTASY XIII ~誓い」「ライトニングのテーマ ─閃光」などのアルバム収録曲計5曲の生ピアノ演奏を披露。オーケストレーションで展開される原曲とは異なる、力強くも繊細なピアノサウンドで聴衆を深く引き込んだ。

さらに会場には「FINAL FANTASY XIII」の作曲を手がけた浜渦氏も駆けつけ、黒田氏と制作当時などを振り返るトークショーも行なわれた。

作曲者の浜渦正志氏をまじえたトークショーも。一度はメールで断ったという黒田氏が住むミラノまで出向いてアルバム制作が行なわれた。制作日数は3日間。本アルバムに収録されたピアノ・アレンジ曲は10曲だが、今後機会があれば「色のない世界」など他曲もアレンジしてみたいという

ファンから楽曲の演奏難度を聞かれた黒田氏は、「全部の曲にブツブツ言ってましたね。"浜渦さん癖"というか、幾何学的というか、ひねくれものなんですよね」と、弾きこなすまでの苦労を吐露。浜渦氏も「暴力的な難しさ」という点を認め、「それを弾けるのは黒田さんしかいない」と、今回の演奏を依頼した理由を語った。また、浜渦氏が「作曲にこだわりはない」と話すと、黒田氏から「"けだるさ"はポリシーとは違うのですか」と一言。浜渦氏も思い出したように「どういう曲が好きかというと、けだるさ」と同意し、黒田氏が「(今作のアレンジは)さんざん盛り上がる曲でも、いつもけだるく終わるんですよ(笑)」と物言いをつける場面も。「結局、ダ~ッと作ってハッと気付いたら、ほとんどの曲が死にそうな(笑)。死ぬときに聴いていて気持ちよさそうなものを作りたいというのはあります」(浜渦氏)。

本アルバムの発売を記念した、浜渦氏と黒田氏によるトーク&ピアノコンサートは、8月29日に大阪・千里ヤマハホール(終了)、9月3日にヤマハ横浜店(チケット完売)でも開催される予定。黒田氏は今後、10月22日に銀座・ヤマハホールでピアニスト・榊原大氏とのデュオコンサートを行なう予定となっている。

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