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権利管理会社のMPEG LAは8月26日(米国時間)、エンドユーザーに無料で提供されるインターネットビデオに対し、AVC特許ポートフォリオライセンスの全期間を通じてロイヤルティを免除すると発表した。同ポートフォリオライセンスには、Webビデオ配信に幅広く採用されているデジタルビデオ・コーデック規格AVC/H.264が含まれており、ロイヤルティフリーとなったことでHTML5の標準ビデオフォーマット争いにおいてH.264に支持が集まる可能性が高まってきた。
インターネットビデオのビデオコーデックは、Webブラウザベンダーを二分した対立を生みだしていた。現在Web用の動画形式ではH.264がよく使われているが、同形式はMPEG LAがライセンスを管理しており、ロイヤルティ免除の期限が2015年12月31日までとなっていた。その後のライセンスが不透明であるため、オープンでフリーなコーデックを求めるMozillaやOperaはOgg Theoraを支持。一方でH.264を推すAppleやGoogleは効率や品質を理由にOgg Theoraを受け入れなかった。
videoタグをサポートするブラウザが増加しているのに標準ビデオフォーマットが決まらない……そんな膠着状態を打破するために今年5月、Googleは買収したOn2 TechnologieのビデオコーデックVP8をロイヤルティフリーのBSDライセンスで公開した。さらにVP8に、オーディオコーデックOgg Vorbis、コンテナにMatroskaを組み合わせた完全フリーなメディア形式「WebM」を開発・提供するプロジェクトをMozillaとOperaとともに立ち上げた。
WebMは2つのグループの希望に沿ったソリューションになり得るが、VimeoやYouTube、CNN、MLBなどすでに数多くのWebサイトがH.264を採用している。簡単にWebMで1本化できるような状況ではなく、さらにWebMの登場に対して、MPEG LAが特許プール侵害も視野に入れてVP8の調査に乗り出すなど、混乱が続いていたのがこれまでの経緯だ。
Web関係者が心配しているは、標準ビデオフォーマット争いの泥沼化がHTML5の進捗を停滞させる可能性である。
ところが今回、MPEG LAはライバルの追い落としではなく、H.264に対する懸念を取り除くロイヤルティ免除にふみ切った。これによって、すぐに全てのブラウザベンダーがH.264のサポートに回るとは考えにくい。周囲を含めて、しばらくはH.264とWebMの関係づくりの行方を見守るような期間が続く可能性の方が高い。それでもインターネットビデオ分野におけるH.264の見通しが開けたのは、Web関係者から幅広く歓迎されそうだ。このMPEG LAの判断に対するWebM陣営の反応が注目される。
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