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シェアを落とし続けているとはいえ、IE6は主要ブラウザとして無視できない存在であり続けている。設備投資のタイミングの関係もあり、IE6を使い続けている企業や政府は少なくない。さらにこれがWebにおける小売りサービスということになれば、少しでも販売層を広げるためにより多くのブラウザをサポートしたいということになり、当然IE6のサポート欠落は避けたいということになる。

楽観的にとらえてIE6のサポートを廃止してWebサイトやWebアプリの設計と開発に取り組んだ場合、サービスインしたあとに追加で要望を受ける可能性がある。「重要な顧客がIE6を使用しているため、このサービスもIE6に対応させてほしい」といったものだ。追加の開発費用が出ればいいが、出ないとなると損失を開発側が負うことになりかねない。こうした事態はぜひとも避けたい。

Craig Buckler氏がSitePointにおいて5 Steps to Have Fun and Profit From IE6というタイトルのもと、IE6の対応を最初から考慮するための5つのステップを紹介している。IE6に対するひとつの捉え方として参考になる。紹介されている内容は次のとおり。

  1. ブラウザのサポートリストを要求する。これはあくまでも当て推量にすぎないが、顧客に必ずサポートしなければならないブラウザがあるかどうかを聞いておく。リストが空だったとしても、少なくとも対象となる主な顧客層が十代なのか、アダルトなのか、企業なのか、政府なのか、などは判断できる必要がある。
  2. 統計データを分析する。すでに顧客がWebサイトを持っているのであれば、統計データを取得して分析を実施する。もしそれがないとして、既存の顧客から分析を実施する。たとえば政府や大企業に対して取引をしている企業はIE6ユーザが多い傾向にある。
  3. IE6をサポートリストに追加する。IE6をサポートするためにより多くの開発時間が必要になるとしても、IE6はサポートリストに追加する。IE6をサポートすることで競合他社と価格面で不利になるようであれば、顧客にIE6ユーザのアクセスが少ないことを説明し、IE6ユーザには多少劣る機能になってもいいかどうか許可を求める。許可されるようであれば価格面を引き下げることができる。また最初からIE6対応に取り組んでおくことは、プロジェクトが完成したあとでサポートを検討したり追加予算を請求することに比べればよほどましといえる。
  4. 契約ベースでいく。たとえ顧客が親しい身内や友人であるとしても、契約をベースに話を進める。契約でどのブラウザのどのバージョンを試験するか明確にしておくとともに、IE6についても明確にしておき、価格についても明記しておく。常に正直であり、顧客に対して不要な驚きを与えないようにしておく。
  5. 厄介ではあるが、IE6はホラーではない。レンダリングバグや欠落はすでにドキュメント化されており、回避方法も紹介されている。開始段階から試験を実施するようにすれば、すぐにそうしたおかしな挙動に気がつくことができ、プロジェクトの最後でコードを差し戻すようなはめに陥ることを回避できる。

Craig Buckler氏は、自身の経験によれば多くのデベロッパはそれほど大量の追加予算を組むことなくIE6互換のモダンなWebサイトを開発できると結んでいる。