ソニー、スピーカーを電子的に再配置する7.1chインテグレートアンプ発表

    村田修  [2010/08/25]

    ソニーは25日、7.1chマルチチャンネルインテグレートアンプ「TA-DA5600ES」と、「TA-DA3600ES」を発表した。発売は10月21日。価格はTA-DA5600ESが27万3,000円で、TA-DA3600ESが13万6,000円。

    電子的な処理で、理想の位置にスピーカーを再配置する「スピーカーリロケーションwith A.P.M.」を搭載した「TA-DA5600ES」

    「TA-DA5500ES」にも採用されている「A.P.M.」を搭載する「TA-DA3600ES」

    専用設計されたリスニングルーム以外では、マルチチャンネルのスピーカーを理想的なポジションに配置することは、なかなか難しい。とくに、リビングルームなどに設置されているAVシステムでは、部屋の形や家具の配置などによって、さまざまな制約が発生する。それらを改善するための音場補正システムは、従来より、多くののマルチチャンネルアンプに搭載されてきた。一般的に使用されている音場補正システムでは、各チャンネルの音圧や周波数特性などをコントロールするが、TA-DA5600ESに搭載されている「D.C.A.C. EX」は、それらの処理に加えて、スピーカーの電子的な再配置を行うという大きな特徴を持つものだ。スピーカーの再配置を行うのは、「スピーカーリロケーションwith A.P.M.」。これは、TA-DA5500ESに採用されていた「A.P.M.(オートマティック・フェーズ・マッチング)」に、「ファントム定位」(複数のスピーカーからの音の音圧配分をコントロールし、実際にスピーカーが置かれてているのとは別の位置に音源を定位させる)を利用した、スピーカーの電子的な再配置を組み合わせたもの。

    「A.P.M.」は、フロントスピーカーを基準にし、それ以外のスピーカーの音圧、位相、周波数特性をフロントスピーカーに揃えることで、マルチチャンネル環境で、フロントと他のチャンネルに異なったスピーカーを接続している場合でも、まったく同一のスピーカーが接続されているように再生できるという技術。スピーカーの再配置と、位相/音圧/周波数特性のオートマッチングを組み合わせたのは、世界初となる。スピーカーを再配置する位置は2パターン用意されており、パターンAは、サラウンドの左右チャンネルがやや後方よりに配置される映画コンテンツ向き、パターンBは、左右のサラウンドチャンネルが、やや前方よりに配置される音楽コンテンツ向きとなっている。また、「スピーカーリロケーションwith A.P.M.」では、ファントム定位によって、実際には存在しないスピーカーを作り出すことも可能。5.1chのシステムで、7.1chのサウンド再生を実現することもできる。なお、「スピーカーリロケーションwith A.P.M.」は 「A.P.M.」の進化形なので、フロントスピーカーの再配置や音響特性のコントロールは行われない。TA-DA3600ESに採用されているのは、TA-DA5500ESと同じ「アドバンスドD.C.A.C.」となる。

    また、「HD-D.C.S.」の改良も大きなポイントだ。「HD-D.C.S.」もTA-DA5500ESに搭載されていた機能で、映画館の音場特性を、ユーザーの視聴環境に再構築するというものだ(ハリウッドのソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)にある大型のダビングシアターの音響特性を測定/解析したデータが使用されている)。しかし、従来の「HD-D.C.S.」では、水平方向での処理しか行われていなかったため、例えば、フロントハイスピーカーが使用されている環境でも、HD-D.C.S.の処理はフロントハイスピーカーには反映されなかった。新モデルに搭載されているのは、高さ方向の処理がプラスされた「HD-D.C.S.フロントハイ」。より映画館に近い音場環境を再現できる。また、「HD-D.C.S.フロントハイ」は、「スピーカーリロケーションwith A.P.M.」と併用することも可能。5.1chにフロントハイスピーカーをプラスした7.1chシステムでこれを利用すると、サラウンドバックチャンネルをファントム定位により作り出し、9.1chのサラウンド再生を行うことができる(ファントム定位でフロントハイスピーカーを作り出すことはできない)。

    パワーアンプ部分は、「第三世代広帯域パワーアンプ」を採用。定格出力は、120W(TA-DA5600ES)/100W(TA-DA3600ES)×7。(20Hz~20kHz、8Ω)。接続可能なスピーカーは4Ω以上となっている。おもな入出力は、コンポジットの映像/音声端子が5入力/1出力、映像モニター出力が1、コンポーネント端子が3入力/1出力。HDMI端子は、TA-DA5600ESが6入力/2出力で、TA-DA3600ESが4入力/1出力。HDMI端子は、ARC/3D映像/パススルーに対応する(TA-DA5600ESにはHDMI出力が2系統あるが、ARC/パススルーが利用可能なのは1系統のみ)。また、テレビやレコーダーなど、ネットワークを利用する機器との接続に便利な、4ポートのスイッチングハブ付きのLANポートも搭載する(両モデルとも、音楽/写真に対応したDLNAクライアントを搭載。また、TA-DA5600ESは、音楽にのみ対応したDLNAサーバーも搭載されている)。

    


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